中国鉄路総公司はこのほど、京張高速鉄道(北京〜張家口)の建設、関連技術の研究開発の段階的成果を発表した。京張高速鉄道は2019年に全線開通し、使用するスマート動車組(新型高速列車)は2018年末に試作を終え、2019年上半期に調整及び試験・検証を終える予定だ。
「復興号」のアップグレード版、よりスマートに
中国鉄道科学研究院集団有限公司会長、党委書記の周黎氏は「当社は京張高速鉄道で、スマート建造、スマート装備品、スマート運営を実現し、世界のスマート鉄道の先例を築いた」と述べた。
京張高速鉄道が使用する動車組は、「復興号」のスマート型アップグレード版だ。既存の「復興号」CR400BF型動車組をベースとし、スマート化、安全性・快適性、グリーン・エコ、総合省エネ性能などのアップグレードを実現する。
京張高速鉄道スマート動車組は、時速350キロの自動運転を実現する。中国鉄道科学研究院集団有限公司車両研究所副所長の張波氏は「自動運転はこれまでも地下鉄で応用例があるが、高速鉄道では世界初の例だ。地下鉄と比べ、高速鉄道はより高速で、線路がネットワーク化されており、運行環境がより複雑だ。我々は京張高速鉄道で、運転手付きの自動運転を実現した」と述べた。また京張高速鉄道スマート動車組はさらに、中国が自主開発する北斗衛星測位システムを初めて採用する。
初めて全線にスマート技術を採用
張氏は「京張高速鉄道は世界で初めて、全線にスマート技術を採用し建設される。設計図から竣工までの全期間の全情報が記録される。またデジタル化管理を通じ、精密な施工を実現する」と説明した。
京張高速鉄道は北京北駅から張家口南駅までの区間で、全長200キロ余りを50数分で移動する。清河駅、長城駅、太子城駅などを経由する。北京北駅を出ると、京張高速鉄道は清華園トンネルに入る。トンネルは90本弱の都市パイプラインを貫く。シールドマシンの使用により、トンネル全体の施工は外科手術のように精密だった。歴史遺産を保護し、都市部の生活の妨げにもならなかった。
長城駅は八達嶺長城の地下102メートルに位置する、世界最大かつ最も深い高速鉄道駅だ。ホーム、乗降、換気、消防、危険回避などのシステムが揃っている。将来的にここは長城に登る最も先進的なルートになる。
顔認証で改札通過、スマート運営を実現
京張高速鉄道は一枚の証明証を持ち、顔認証システムを使い改札内に入ることができる。沿線の高速鉄道駅内には各種スマートロボットが設置され、秘書のようにサービスを提供する。荷物運びを手伝い、道案内をしてくれる。
駅の環境快適性観測・制御システム、エネルギー管理・制御システムなどの各種システムが、駅の効率的な稼働を保証する。高速鉄道侵入通報システム、地震早期警戒システム、自然災害観測システムなどが、動車組のスマート調節・指揮システムを構築する。
また2022年北京冬季五輪の関連プロジェクトであるため、五輪要素が不可欠だ。京張高速鉄道には太子城が設置されるが、これは冬季五輪の史上初となる競技中心エリア直通の高速鉄道駅となる。京張高速鉄道スマート動車組はさらに、スキー板を置くスペースを設置し、世界で最も独特なモバイルニュースセンターを開設する。車両内が高速インターネットでカバーされ、五輪生中継を実現する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月29日