ここ数年、中国でディスプレイパネル分野への投資がブームになっている。モノのインターネット(IoT)時代に打ち出された理念のもとで、中国のパネル産業に巨大な空間が開かれた。中国のディスプレイパネルへの投資が急増しているのは、中国市場が巨大で、投資家がパネル業界に注目しているためである。また、各地方政府がパネル業界を大々的に支援し、土地や税収などの面で優遇策を講じているためでもある。
中国の液晶パネルは生産過剰
今後5年で、世界にパネル生産ラインが18本増加し、うち中国大陸に14本増える見通し。市場と政策面の要因により、外資系パネル工場は積極的に中国に工場を建設し、世界のパネル生産の中国大陸集中がより加速するとみられる。中国は2019年に韓国を超えて液晶パネル生産国のトップに立つことが予想される。
しかし、パネル業界の投資ブームに伴い、無秩序投資の兆候が現れ始めている。盲目的に生産ラインを建設し、非大手企業が大量に入る地域もあり、産業の非合理的な配分は業界の健全な発展に影響を及ぼす。中国の液晶パネル市場は生産過剰となっており、ディスプレイ技術の発展も速く、急速な世代交代は産業の発展方向に新たな変化をもたらしている。
数年前、世界最大のパネルメーカーだったサムスンは中国パネル企業の液晶パネル生産参入を意識し始め、生産過剰につながり、それがもとで液晶パネル生産ラインの売却やより先進的なOLEDパネルへの生産移行を開始した。また、韓国大手パネル企業のLGディスプレイは多くの液晶生産ラインを閉鎖し、大型OLEDパネルの生産に専念した。中国のパネル企業はディスプレイ技術がグレードアップする中、液晶パネルへの盲目的な投資を続ければ、日韓企業に再び遅れをとることになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月28日