中国の原子炉は近年増加を続けている。第3世代原発技術も高い自主開発能力を持つ。専門家は、未来の原発発展は国内外市場を総合的に利用し、全産業チェーンの海外進出をけん引し、国内設備製造業の発展を促進することになると判断した。
先ほど開かれた中国原子力持続可能な発展フォーラム2018において、中国原子力業界協会が「中国原子力発展報告(2018)」を発表した。それによると、中国の稼働中の原子炉は2017年末時点で37基、設備容量は3581万kWで、世界4位となっている。発電量は2474億6900万kWhで、全国発電量の3.94%を占め、世界3位につけている。原子炉は安定的に稼働しており、全体的な稼働実績・指標は優良を示している。
同報告によると、中国の建設中の原子炉の規模は世界トップで、プロジェクトが秩序正しく推進されている。2017年末現在で、中国の建設中の原子炉は20基、設備容量は2287万kWで、建設規模で世界一をキープした。そのうち半数が第3世代原発技術を採用。華竜1号、CAP1400を始めとする第3世代原発技術は、高い自主研究開発能力を持つ。華竜1号を例とすると、その燃料棒、蒸気発生器、DCS(デジタル分散制御システム)などの重要設備が、国内自主設計・製造を実現している。設備の国産化率は87%以上に達する。またCAP1400は超大型鍛造品、原子炉級ジルコニウム、原子炉級電気ケーブル、安全シェルター鋼板など一連の重要材料の開発に成功しており、海外の技術独占を打破した。また高温冷却炉模範プロジェクトも着実に推進されており、小型原子炉の開発とモデルプロジェクトの準備作業も積極的に推進されている。
同報告は安全性の問題について、原発安全と発展の関係を総合的に管理し、「核安全法」を踏まえた上でその他の原子力関連法の制定を推進し、原発法整備を進める。原発の安全監督管理を強化し、原発建設の全過程における安全管理と品質保証を改善し、原発事故緊急対応の準備と対応の水準を高める。さらに原発安全基礎科学研究能力を高め続け、先進的な放射性廃棄物処理技術を発展させ、核廃棄物の安全管理水準を高める。特に高放射性廃棄物の分離・固化・地層処分技術の難関を突破し、環境安全を保証する。
同報告によると、原発の発電量は世界の発電量の10.6%を占めている。中国は化石エネルギーへの依存が強く、原発の発電量は全体の3.94%を占めるに留まっている。「電力発展『第13次五カ年計画』」は、2020年までに中国の稼働・建設中の原発設備容量を8800万kWにするとした。現在の国内の状況を見ると、この目標を達成するためには今後数年に渡り、100万kW級原子炉を毎年6−8基追加する必要がある。
世界の原発産業は各種要素からの影響を受けているが、同報告は未来の原発発展に期待感を示した。また「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)のチャンスを掴み、二つの市場を総合的に利用し、原発を中心とし全産業チェーンの海外進出をけん引し、国内設備製造業の発展を促進するよう提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月29日