初の金融裁判所、なぜ上海に設立?

初の金融裁判所、なぜ上海に設立?。

タグ:金融裁判所 上海

発信時間:2018-04-29 10:20:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 金融裁判所が、本当に設立されようとしている。25日の中央全面改革深化委員会第1回会議で可決された「上海金融裁判所の設立案」に基づき、最高人民裁判所長の周強氏は「上海における金融裁判所設立に関する決定(草案)」について、第13期全人代常務委員会第2回会議に説明した。上海金融裁判所は今後、上海市の中級人民裁判所が管轄する金融商事案件と金融行政案件を管轄する。管轄案件は最高人民裁判所が確定する。


 金融裁判所の設立は、中国司法システムのインターネット裁判所、知的財産権裁判所の設立に続く新たな革新だ。既存の民事法廷と経済法廷の他に、金融裁判所を特別に設立する理由とは何だろうか。金融裁判所はなぜ上海市に設立されるのか。


 上海で建設中の「5つのセンター」の一つは金融センターであり、また上海の自由貿易区の建設も金融と密接に関連している。上海には多くの銀行、保険会社、証券会社、ファンド、新興金融派生商品・サービスに従事する企業が集中している。また上海は上海証券取引所の所在地でもある。


 大量の金融機関が存在するため、複雑な金融紛争が存在し、金融権利救済の公共サービスが特に必要となっている。統一的な金融裁判所を設立することで、金融案件を集中的に管轄し、金融裁判体制・メカニズム改革を推進する。これは金融裁判の専門水準を高め、公正かつ効率的で権威ある金融裁判体制の構築を促す。


 インターネット金融紛争の内容は、単なるインターネットローンからクラウドファンディングやインターネットファイナンスにまで広がっており、多様化・複雑化している。資金プール、信頼向上、透明な監督管理、通過料金、代わり持ちといった金融革新による新興事業と監督管理理念は、まさに日進月歩だ。


 法律によってこれらの正誤を明らかにするためには、高度な専門知識が必要であり、そのため裁判機関の専門化が必要だ。上海市浦東新区は2008年の段階で、金融法廷を設立していた。金融裁判所の試行が2017年5月、上海区級裁判所で始まった。今回の金融裁判所設立は、上海裁判所自身の改革の流れに基づく自然な措置だ。


 世界に目を向けると、世界の金融センター、もしくは金融センターになろうと取り組んでいる都市の多くが、専門的な金融法廷を設立し競争力を高めている。英国には「金融サービス・市場法廷」があり、アメリカ証券取引委員会(SEC)には「行政審判官事務室」がある。カザフスタンのアルマトイにも、その他の裁判所から独立したアルマトイ専門金融裁判所が設立されている。


 整った金融生態は、透明な制度と監督管理が不可欠だ。また公正かつスピーディーな司法も、金融サービスの重要な一環だ。上海で中国初の金融裁判所が設立されることで、中国の国際金融取引ルールの発言権が高まり、中国金融司法の国際的な影響力も強化される。




「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月29日


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