中国の「スーパー高速鉄道」実験室で、科学者らはSFチックなチューブを使い、航空機よりも速いリニアモーターカーの試験を行っていた。参考消息網が4日、2日付デイリー・メールの記事を引用し、伝えた。
中国の科学者は超高速列車のプロトタイプの試験を続けている。この列車の速度は、航空機を上回る。
中国国営メディアの報道によると、この「スーパーリニア」と呼ばれる先進的な型式は、理想的な状態であれば時速1000キロに達する。これは中国の現在の高速列車の3倍の速度に当たる。
これは試験が今後成功すれば、航行速度が時速960キロに達するボーイング737を上回る列車が誕生することを意味する。この列車であれば、ロンドンからパリまで30分で移動できる。
西安交通大学が、四川省でこの実験を行っている。磁気浮上及びけん引動力の専門家である鄧自剛教授が、同実験を担当している。
鄧教授は中国メディアから「高鉄侠」と呼ばれている。彼は実験室で、リニアモーターカーの試験を4年以上も続けている。
彼が率いるチームは、小型の単座リニアモーターカー模型を作り、真空チューブ内で試験を行っている。
人民網の記事によると、この真空チューブは同チームが開発した、中国初の高温超電導リニアループだ。
高さ45メートルのレールの設計上の負荷は300キロで、最大積載量は1000キロ。
鄧教授は、真空チューブにより空気抵抗を下げ、磁気浮上技術により列車とレールの摩擦を減らすことができると考えている。そのため真空チューブ内の環境は、プロトタイプの最大の速度を保証する。
鄧教授のプロトタイプは、地上から20ミリの高さで安定し、1トンの荷物を乗せても時速50キロで走行できる。
鄧教授は、この技術により列車が時速1000キロ以上で走行できると述べた。
これは中国が開発中の、唯一の超高速列車ではない。
この列車に熱を上げる国は、時速4000キロの「空飛ぶ列車」を開発中だ。ミサイル開発と宇宙計画を担当する国有企業、中国航天科工集団公司が昨年8月、この計画を打ち出した。
中国は世界最大の高速鉄道網を持つ。新華社の記事によると、中国の高速鉄道の総延長は2万2000キロに達しており、世界全体の高速鉄道の合計を上回る。
中国の高速客運列車の最高時速は現在350キロで、上海から北京までわずか4時間半で移動できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月4日