A株のMSCI指数組み入れ、上海・ロンドン株式市場を相互接続する「滬倫通」、外資系証券会社の出資比率規制緩和、海外の証券取引所買収案など、このところ資本市場の双方向の開放に関わる措置が相次いでおり、中国金融市場の開放が一段と加速していることがわかる。
A株のMSCI新興国株指数組み入れまで残り1カ月を切った。計画によると、MSCIはA株組み入れの詳細を5月に発表し、6月1日に正式実施の予定だ。A株のMSCI指数組み入れが近づくに伴い、市場の各方面で準備作業が進んでいる。
A株のMSCI指数組み入れがもたらす影響について、業界の最大の関心事は新規の資金流入だろう。
短期的に見ると、A株のMSCI指数組み入れがもたらす新規資金の流入規模はそれほど大きくないとみられる。川財証券研究所によると、A株のMSCI指数組み入れに関係するMSCI新興国株指数、MSCIグローバル指数、MSCI中国指数、MSCIパシフィック(日本を除く本)指数をベンチマークとする資金の規模について、A株の5%を組み入れたとして単純に試算した場合、海外投資家からMSCIインデックスファンドを通じて流入する新規資金の規模は約1200億元となる見通しだ。A株の組み入れは6月と9月に2.5%ずつ行われるため、新規資金の流入はそれぞれ600億元ずつとなる。しかし中長期的に見ると、シティバンクの予測では、6月1日のA株指数組み入れ後、毎年約3000億元がA株市場に流入する見通しだ。国金証券の予測では、将来的にA株全体が組み入れられれば、3000億米ドル、約2兆元相当の新規資金が流入する見通しだ。