無小石軌道の敷設が急ピッチで進められる鄭万(河南省鄭州市〜重慶市万州)旅客専用線の穎河特大橋の下で、記者が携帯電話で橋脚台のQRコードをスキャンすると、「穎河149#墩」と記された情報が直ちに表示された。これらの情報には、橋脚、橋脚台、パイル基礎のデータと図のほか、建設担当者、管理者、技術・品質などの関連責任者の所属先と氏名が含まれる。
施工を担当する中鉄七局鄭万旅客専用線特別プロジェクト部チーフエンジニアの耿国永氏は「デジタル技術は透視眼鏡のようなもので、竣工後も設備を通じ、これらの鉄筋コンクリート材の内部構造データをいつでも調べられる。多くのデジタル技術が鄭万旅客専用線の建設に応用され、中国の未来の高速鉄道建設はますます透明化する」と話した。
耿氏によると、「透明な高速鉄道」は一般的な高速鉄道と異なり、線路上のすべての鉄筋コンクリート材に「電子身分証」が備わる。記者は施工現場で、高速鉄道の地上から上に向かう橋脚、ボックスガーダー、道床、枕木の「身分証」が、携帯電話でスキャンできるQRコードになっているのを目にした。
ボックスガーダーと枕木の間の道床は、時速350キロの高速鉄道の安全性に関わる、最も多くの技術力が込められた、施工の精度と難易度が最も高い部分だ。そのため「身分証」も最も特殊で、コンクリート内に埋め込まれたチップになっている。施工現場で、作業員は道床の鉄筋枠組みを溶接しながら、オレンジ色のUSBメモリサイズのケースを取り付ける。
中鉄七局鄭万旅客専用線特別プロジェクト第二分部書記の王暁鶴氏は「ケース内は公共交通カードに似たRFチップで、リーダーにより道床のモルタルの性能指標や注入の速度、温度、湿度などの詳細な内容まで調べることができる。要求に基づき、1区間の道床の上には10本の枕木を敷く必要があるが、チップは2本目から9本目の下の道床枠組みに固定されなければならず、平均6.4メートルごとに設置される。これは全長818キロの鄭万旅客専用線に、13万枚弱のチップが埋められることを意味する」と説明した。
王氏は、デジタル技術の応用によって高速鉄道は「透明」になり、施工品質も高まり安全になると話した。「電子身分証」の他にも、鄭万旅客専用線で初めて投入されるデジタル技術には、建材の搬入と最後の竣工に至る施工情報化システムが含まれ、工事の全過程の品質を保証する。
王氏の携帯電話には、システムを管理するアプリが搭載されている。5月9日午前5時5分、王氏の携帯電話の警報が鳴り響いた。「2.5立法メートルのコンクリート内に18キロの砂が不足し、撹拌機に搭載されていたセンサーによって発見された。管理システムのセンサーと現場の電子はかりが直接連動しており、データを電子施工日誌に直接書き込むことで、工事品質の偽造を撲滅している」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月27日