王中山さん(音訳)はこの6年間に渡り毎日、斗南花卉市場の競売に参加しているが、今でも胸が高鳴るという。雲南省昆明市にあるこの市場では毎日、1000万本の花が落札されている。落札者は600人以上。王さんは「価格が高騰すると、ホール全体が盛り上がる」と話した。これは斗南が中国花卉取引の都だからだ。このうら寂しい町は30年の時を経て、アジア最大の花卉市場に成長し、全国の4分の3以上の花を供給している。26日付香港紙・南華早報が伝えた。
雲南斗南花卉産業集団の毛海鵬マネージャー(音訳)は「(花の)需要は旺盛で、省内の農家約30万世帯が花を栽培しており、面積は150万ヘクタールに達している。90年代は数十世帯のみで、面積は1万ヘクタール未満だった」と説明した。花市場の成長は、中国中産階級の成長によるものだ。彼らは花を特殊な場での贅沢品ではなく、日常生活の一部としている。毛氏は「これは自然な変化だ。中国経済が発展し、住民はこれまでは浪費と思われたモノに使う収入を手にするようになった。花は日増しに中国人家庭の必需品になっている」と話した。
中国の花の多くが輸出されている。公式データによると、中国の切花輸出額は2002年の650万ドルから昨年の2億5000万ドル以上に増え、うち7割がアジア諸国に輸出されている。王氏は花市場の急成長を肌で実感している。彼は20年前に姉の夫の花屋で手伝いをした。当時は小さな店だったが、現在は毎年の売上が1800万元にのぼり、中国及びアジア14カ国に供給している。花の販売量を見ると、斗南花卉市場は今や世界最大の取引センターになっており、オランダのアールスメール花市場と肩を並べている。しかし中国の花市場は急成長しているが、世界の輸出額に占める割合はまだ1.3%のみだ。
毛氏は「取引量を見ると、中国は欧州に近づいているが、平均価格は比べ物にならない。問題は栽培・加工技術の遅れだ。海外の同業者と異なり、雲南省の栽培では大型ビニールハウスの使用が始まったばかりだ」と指摘した。調査会社の艾瑞諮詢(iResearch)によると、冷凍保存や花の輸送には巨額の投資が必要であるが、これは現時点では多くの花サプライヤーにとって不可能なことだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月28日