交通銀行チーフマクロアナリストの唐建偉氏は、輸出の伸びが比較的安定し、世界経済のなかでも特に米国の良好なパフォーマンスと連動していると分析。中国の1-5月対外貿易が安定し、懸念材料は今のところなく、中米貿易摩擦の影響はみられないと説明している。
また、中国と米国がまとめた枠組み協定にもとづき、下半期は米国製品の輸入が拡大し、貿易黒字が縮小すると予想した。輸出業者が、中米貿易において下半期に制裁措置が打ち出されることを懸念し、上半期に事前発注を行なったことが貿易黒字の拡大につながったと説明。下半期は対米貿易黒字が大きく減る見込みで、仮に輸出が変わらなくても輸入増が貿易黒字の減少につながり、通年の貿易黒字も対米貿易の影響を受けるとみている。
AFP通信は6月8日、中国政府の公式統計として、中国の5月対米貿易黒字が大幅に増加したと伝えた。経済大国である二国間の緊張が貿易不均衡を悪化させたと同時に、他国に対する中国の優位性を少し下げたとの見解を示す。