いつの日か、宅配の全過程が自動化するかもしれない。小包は無人倉庫を出発し、自動運転大型トラックによって速やかに営業所に運ばれ、そこから最後の1キロは自動配送小型車で運ばれ、マンションのエレベーターに乗り玄関まで届けられる。このような「無人物流」はすでに、そう遠い先の話ではなくなっている。
無人倉庫は、小包が出発する場所になる。上海市奉賢区にあるAGVロボット倉庫の数千平方メートルの範囲内で働く作業員は数人のみだが、AGVロボットが100台以上もある。
家庭用の掃除ロボットを拡大したように見えるAGVロボットの直径は1メートル、高さは50センチで、800キロの荷物を乗せながら自由自在に動き回り、PCモニターを200台も軽々と持ち上げることができる。ここでは作業員が棚の間を駆け回り商品を探すのではなく、荷台を乗せたロボットが駆けつける。これらのロボットが荷台を作業員の元まで運び、従来の方法を逆転させた。
蘇寧物流研究院の栾学鋒副院長によると、この高度に自動化された無人倉庫内では、商品1点の平均ピッキング時間は10秒で、ピッキングの精度は99.99%以上。AGVロボット1台で作業員10人分の作業をする。ある倉庫内に作業員が50−70人いるとすれば、5人ほどに減らすことができる。蘇寧はすでに上海市や済南市などの都市で無人倉庫を使用しており、今後はさらに深セン市や重慶市などで建設を加速する。
倉庫を出ると、小包は自動運転大型トラックで営業所まで運ばれ、物流の幹線輸送を終える。
記者は上海市で自動運転大型トラック「行龍1号」に試乗した。この高さ4メートル、全長12メートル、重さ40トンの大型トラックは、運転手が操縦しなくても安定的に走行する。障害物があれば停車すべきか回避すべきか自動的に判断する。
蘇寧物流研究開発エンジニアの王維氏によると、自動運転大型トラックは高速走行中、数百メートル離れた障害物を正確に認識し、直ちに緊急停車もしくは回避する。応用シーンは高速道路が中心であるため、一般道よりもシンプルで、幅広い応用の将来性を持つ。ダイムラー、テスラなどの各メーカーが同分野に進出している。
車道と歩道を完全に分ける団地が増え、宅配車の進入を制限するに伴い、宅配の「最後の1キロ」問題を解消する無人配送車が力を発揮し始めている。
蘇寧の自動運転車「臥龍1号」は高さ1メートル未満で、丸々としたデザインだ。上部にはレーザーレーダーがあり、団地内の360度3D地図をスキャンできる。さらにGPS情報と結びつけ、AIチップによって所在地や目的地の方向を自主的に分析し、自動でエレベーターを利用する。さらに悪天候時の配送と24時間配送を実現できる。この自動運転車は1000の団地に進出する見通しだ。
栾氏は「物流のハイテク化、ネット化が未来の発展のすう勢だ。当社は最終配送ロボット-支線自動運転車中継-幹線自動運転大型トラックという3段階のスマート物流・運輸体制を構築する。展開中の無人倉庫やドローンと連携し、全フローの自動化を終え、物流技術応用の閉ループを実現する」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月23日