複数の国際機関がこのほど発表した報告と声明で、「靱性」「改革」「リスク」「安定」「自信」は中国経済を描くキーワードになっている。
「中国経済は力強い発展傾向を維持している」。世界銀行は『中国経済簡報』の冒頭にこのように記した。
報告は、消費は引き続き中国経済成長において重要な役割を果たすとしている。国家統計局の最新統計によると、5月の社会消費財小売総額は今年初めて3兆元を突破し、前年同期比8.5%増加した。1〜5月の全国ネット小売額は3兆2691億元で30.7%の大幅増となった。
小売額だけでなく、消費アップグレード商品も急増している。中国は一連の消費財の関税引き下げを発表し、消費の活力と潜在力がさらに向上した。
国際通貨基金(IMF)筆頭副専務理事のデビッド・リプトン氏は5月末に幕を下ろしたIMF協定第4条の話し合い後に声明を発表し、「中国が政策の重点を高速成長から質の高い発展に移行することを歓迎する。特に、過度な投資から消費に移行することで、経済成長を継続し、人民の生活レベルを絶えず高め、環境をよりきれいにし、リスクを大幅に減らせる」と示した。
世界銀行の報告は、ソフトウェアとITサービス業の対GDP比はそれほど高くないが、急成長し、寄与度は高まっているとした。
業界の電力使用量はこの傾向を裏付けた。1〜5月の第三次産業の電力使用量は2桁増加。ソフトウェア・ITサービス業の電力使用量は前年同期比66.05%増、インターネット・関連サービス業は63.26%増。うちインターネットデータサービスは207.06%増だった。
国家情報センター経済予測部の牛犁副主任は、「新興サービス業は産業にしても商品にしても、電力使用量の急増を牽引し、経済モデル転換の加速の良好な傾向を示した」と話す。
経済の安定成長の背景のもとで、リスク除去という試練にどう立ち向かうか。人民のより素晴らしい生活というニーズをどう満たすか。国際機関は、中国は「晴れの日に屋根を直す」べきであり、経済リバランスは全体的な成長の鈍化を意味する可能性があるが、この状況を拒むべきではなく、政策方針を徹底し、質の高い発展に重点を置き、国民生活の改善を進めるべきとの見解を示す。
リプトン氏は、中国の過去数十年の改革成功および中国政府の確固たる承諾と決意を鑑みると、IMFは中国が経済のリバランスと持続可能な発展モデルへの移行を実現することを信じていると話した。
世界銀行の報告は、短期的に見ると中国の投資増加速度はやや減速するが、国際的、歴史的に見れば中国の投資増加はまだ勢いがあり、中国は投資配分の改善と投資効率の向上に尽力すべきだとした。世界銀行開発見通し局のアイハン・コーゼ局長は、「中国が改革を深化し続ければ、中国は各種のリスクに対応できる十分な‘弾薬’を備えることができる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月23日