7月は就職のピークだ。今年の大卒者は過去最多の820万人にのぼる。新原動力・新産業の成長加速、革新・創業の活力の拡大が、多くの労働力に就業と創業を促している。その一方で就職の圧力が拡大を続け、依然として深刻な情勢だ。「スローな就職」といった新しい問題に注目が必要で、就職の質の向上が待たれる。
就職の構造問題が浮き彫りに
人力資源・社会保障部の張紀南部長は先ほど発表した署名文書の中で「就職の構造問題が浮き彫りになっている。産業モデルチェンジ・アップグレードの需要を満たすハイレベル研究開発者、高技能労働者、革新型・複合型人材が不足している。一部の新たに成長した労働力の実践能力が、まだ市場の変化に追いついていない。高齢の低技能労働者の就職の難題が存在し続ける可能性がある」と指摘した。
大学の専攻の設置、労働力の供給には、需要とマッチしない部分がある。人材募集会社・智聯招聘は先ほど、「2018年大卒者就業力市場リサーチ報告書」の中で、内定を決めた卒業予定者の39.2%が、大学の専攻と業務内容がマッチしていないと指摘した。
張氏は大卒者について、企業の需要と大卒者の期待に差があり、「スローな就職」などの新たな状況に要注目と指摘した。
麦可思研究院と社科文献出版社が発表した2018年「就職青書」によると、大卒者の就職の質について、2017年度の大卒者の就職満足度は67%となっている。就職の現状に不満とした主因は、「低賃金」(大卒者は64%、高等職業・専科学校卒業者は65%)、「出世に期待できない」(54%、55%)となっている。智聯招聘の「2018年大学生就業力報告書」によると、2018年度卒業予定者のうち「スローな就職」を選ぶ人が6.99%に達した。
張氏は「中国の産業構造は依然としてミドル・ローエンドであり、高品質の雇用機会を十分に創出するまでにはまだ時間が必要だ。就職のバランスの乱れ、流動の滞りといった問題が依然として存在している」と表明した。
高品質の就職、政策による促進が必要
経済参考報の調べによると、政府は今後より多くの質の高い雇用機会の創出に力を入れ、経済政策と就業政策の連動を強化し、より質の高い就業評価体制を研究・構築し、経済高品質発展指標・審査体制の導入を推進する。
政府は創業担保融資策の実行を拡大し、重点集団就業・創業基金の設立を促し、創業インキュベータ及び団地を高基準で建設し、ローコスト用地支援及び総合関連サービスを提供する。また新たな就業形態に適した人材使用・社会保障政策を整える。就業分野の改革を掘り下げ、労働者社会性流動の体制及びメカニズムを研究・促進し、平等就業制度を整える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月2日