このMUJIホテルの飲食部門責任者・濱岸健一さんは、「前門は北京のランドマーク的エリアの一つで、無印良品が前門北京坊に進出できてイメージ旗艦店を開設できたことは、無印ブランドにとっては中国市場で絶好の展示チャンスを獲得したことにほかならない。ここから無印良品が中国市場を重要な配置の一部とみていることがわかる」と述べる。
無印ブランドの業績をみると、現在の中国市場での業績は安定的とはいえない。2017年度決算データによると、大陸部での業務収入は688億9800万円で前年比25.4%増加したが、売上高の四半期別増加率は、第1四半期が5.8%、第2四半期が1.8%、第3四半期が7.1%、第4四半期が4%だった。
無印良品が中国市場を重視していることは、最近の頻繁な値引きと出店からもその一端がうかがえる。
無印良品はこれまで中国で「新定価」を何度も発表している。成都市と上海市に相次いでカフェ「Café & Meal MUJI」を併設したクロスオーバー店を開設し、1月には深セン市の深業上城に「レストラン+ショップ+ホテル」の多業態店をオープン。6月には北京の世貿天階にショップができ、同じく北京の中糧祥雲小鎮のショップもまもなくオープンする予定だ。
無印良品の公式サイトをみると、このMUJIホテルは客室が6タイプあり、料金は550~3210元(1元は約16.7円)、現在は予約で埋まっている。生活サービスプラットフォーム・大衆点評をみると、一部の消費者から、「客室の料金が高すぎる」、「前門なら1千元を超えてはダメ。500~800元なら泊まってもいい」といった声が上がる。