スペインの『エル・エコノミスタ』は7月29日にウェブサイトで、今年はグローバル市場が米トランプ政権の保護主義による影響を受けていると報じた。米国が新たな関税措置を発表すると、世界各地の株式市場が反応した。今、投資家にとって良い日とは、トランプ大統領が発言しない日だ。トランプ大統領は、他でもない主要貿易パートナーの中国を標的としている。いかなる争いと同じように、貿易戦争にも勝者と敗者がいるが、今回の争いに勝つのは当事国のどちらかではなく、欧州になるだろう。
国際通貨基金(IMF)の統計によると、2017年に中国が米国から購入した商品とサービスは1549億3300万米ドルに上った。仏ナティクシスは、「貿易戦争は、欧州企業が中国でチャンスの窓を開くことにつながる」との見解を示す。
スペインの銀行員、ビクトリア・トーレ氏は、「中国はすでに、代替となる貿易戦略の第一歩を踏み出しており、欧州に接近して市場の多様化を図っている」と指摘した。「投資」金融情報ネットのジェシー・コーエン氏は、「中国と欧州の貿易が過去10年で大きく拡大し、中国は欧州にとって第2の規模を持つ市場になっていることは覚えておいたほうが良い」としている。
報道によると、中国が米国から最も大きく購入しているのは航空機とヘリコプターで、その額は125億米ドルを超える。こうしたなか、今回の貿易戦争で利益を得るのはエアバス社となるかもしれない。ボーイング社が2017年に中国へ120億米ドルの製品を販売したが、この商機は欧州大陸へと飛んでいく可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月11日