世界貿易機関(WTO)は11日、加盟国に対して文書で、米国が中国製品に実施した複数の反ダンピング(不当廉売)措置を是正する実質的な行動を取っていないとして、中国側から年間70億米ドル規模の貿易報復措置を科すことを承認するよう申請があったと伝えた。
WTO専門家パネルは2016年10月発表のレポートで、米国が中国の機械・電力や軽工業など複数産業の輸出製品に対して実施した反ダンピング措置13件が、WTO規則に違反しているとの見解を示し、WTO上級委員会も2017年5月に専門家パネルの判断を認めた。WTO紛争解決機関は、米国側が今年8月22日までにこの勧告に従うよう求めていた。
11日の文書によると、中国側は米国が勧告に従う期限が過ぎたと指摘。WTO紛争解決メカニズムの関連規定にもとづき、中国側は米国に貿易報復制裁を科すことを承認する申請をWTOへ出し、米国に年間約70億4300米ドルの貿易報復措置を実施する方針を示した。