北京のIT企業に勤務する王驍さんの最大の趣味は、ドラマの視聴だ。昔は米国と英国のドラマを見ていたが、最近になり国産ドラマに魅了された。彼の携帯電話には6種類の動画アプリがあり、毎晩ダウンロードしてから翌日の通勤・退勤中に地下鉄で視聴する。彼は現在2種類のアプリの有料会員になっている。「有料会員でなければ一度に全話を視聴できず、無料会員は毎週6話までしか視聴できない」彼は毎年、2種類の動画アプリに400元以上費やしている。
中国では王さんのような、オンラインコンテンツに課金しようとするユーザーが急増しており、海外メディアが「世界最大規模のネットユーザーたちが課金しており、しかも大きな額だ」と驚嘆するほどになっている。一部の統計データによると、全国で約2億人のユーザーがオンライン動画・音楽・文学などのコンテンツに課金している。
ネットユーザーの課金は現在、オンラインコンテンツ産業を支えている。国家版権局オンライン版権産業研究基地が発表した報告書によると、昨年の中国オンライン著作権産業の市場規模は6365億元に達している。うちユーザーの課金規模は3184億元で、50%を上回っている。
競争に生き残るため、大手サイトは著作権の争奪戦を頻繁に展開しており、それに伴い著作権の価値が急上昇している。ドラマ『如懿伝』は今年、動画サイトに1話900万元で売却された。著作権の価値が高騰し、各大手サイトは自社コンテンツの生産に力を入れている。
オンライン著作権産業の富の効果が創作の意欲を掻き立てている。オンライン文学、映像作品、ゲーム、知識サービス、ソフトが急増している。統計データによると、契約が交わされているオンライン小説は昨年だけでも22万作品に達し、1日平均で600作品以上となっている。昨年の全国著作権登録件数は、前年比36.86%増の274万件以上に達した。
中国人ネットユーザの課金の意欲は、中国ひいては全世界の創作者に大きな経済の見返りをもたらしている。
ドキュメンタリー番組『大国利器』によると、ハリー・ポッターの著者である英国人女性作家、J·K·ローリングが中国から得た印税は1億元以上にのぼる。国際レコード・ビデオ製作者連盟が今年10月上旬に発表した報告書によると、中国のデジタル音楽消費者のうち96%が正規版の音楽を好み、世界平均の62%を上回った。日本のコンテンツ海外流通促進機構の統計データによると、2017年度に中国で没収された海賊版DVDの数は、2011年度の10分の1以下になっている。同機構は「中国で海賊版コンテンツが気軽に見られる状況が改善されている。中日企業間のコンテンツ事業が増加している」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年11月15日