習近平国家主席は11月27日から12月5日にかけてスペイン、アルゼンチン、パナマ、ポルトガルを国賓として訪問し、第13回G20サミットに出席した。習主席の寄稿4本だけでなく、習主席と訪問国首脳との会談、中国と関係国との共同声明には、いずれも「一帯一路」(the Belt and Road)が高い頻度で使用されていたことに誰もが気付いたはずだ。(文:王俊嶺・本紙論説員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
そして、各国でもこの「一帯一路」は歓迎された。スペインのサンチェス首相は「『一帯一路』は歴史的意義を持つ重要なイニシアティブだ。スペインは『一帯一路』共同建設に積極的に参加したい」と表明した。アルゼンチンのマクリ大統領は「アルゼンチン側は揺るぎなく中国との包括的な戦略的パートナーシップの深化に尽力し、『一帯一路』の枠組での協力を強化する」と述べた。パナマのバレーラ大統領は「パナマ側は『一帯一路』共同建設を支持する。中国側との投資、港湾運輸、自由貿易圏分野の協力強化に期待している。中国企業の投資を歓迎する。中国側と早期に自由貿易協定を締結し、両国の貿易水準を高めたい」と述べた。ポルトガルのデ・ソウザ大統領は「ポルトガルは『一帯一路』イニシアティブを支持している。陸のシルクロードと海のシルクロードの欧州における中枢となりたい」と表明した。
■「一帯一路」が各国で歓迎される理由とは
「一帯一路」が歓迎されるのは、各国の経済・社会発展の現実的関心に応えているからだ。アルゼンチンは南米南部に位置し、果物、牛肉、ワイン、海産物などが非常に豊富だが、インフラの欠如や金融市場が不安定で、長年輸出量が少ない、付加価値が低いといった問題を抱えてきた。「一帯一路」共同建設を背景に、2017年に中国の対アルゼンチン投資は100億ドルを超えた。これはインフラ整備、エネルギー、通信、農業分野を含み、数万人の雇用を創出した。同時に、中国とアルゼンチンは通貨スワップの規模を拡大し、中国の金融機関はアルゼンチンに支店を設立し、アルゼンチンの経済・社会発展を支え、サービスを提供してきた。
「一帯一路」が歓迎されるのは、理性的、実務的で実施可能性の高い協力案を示しているからだ。パナマの地理的位置は独特で、パナマ運河だけでなく、熱帯の果物でも世界的に有名だ。中国とパナマは「一帯一路」共同建設が統率する形で、経済・貿易、金融、海事、民間航空、観光、文化、教育分野の協定多数に調印した。「一帯一路」によって、インフラ整備、物流、生産能力、電子商取引、金融など重点分野での両国協力は深まり続ける。