「中共中央国務院のより効果的な地域の協調的発展に向けた新制度構築に関する意見」(以下、意見)がこのほど発表され、地域の協調的発展に向けた新たなロードマップが示された。「意見」は、2035年までに基本的に現代化を実現し、それに適した地域の協調的発展に向けた新制度を構築、地域発展の格差を顕著に是正する方針を明らかにした。
「協調的」が今回の「意見」で地域の協調的発展を推進するためのキーワードの1つ
発展が進んだ地域と遅れた地域をどのように全面的に発展させるのか?「意見」は、先進的地域にけん引作用を発揮させるとともに、発展途上地域の脆弱部分を補強する必要があると明らかにした。
「けん引役割」は主に、東部沿海部など先進地域の改革革新・新旧原動力の転換・地域の一体的発展を推進し、中西部の条件が比較的整った地域の発展加速を支援、国家級新区・自由貿易試験区・国家級開発区など各プラットフォームの大胆なイノベーションを奨励する点に表れている。
「脆弱部分の補強」の重点は、発展途上地域の長期的な支援制度と対象を特定した効果的な支援制度の構築を推進し、インフラ・公共サービス・生態環境・産業発展などの脆弱分野の補強を加速することにある。同時に、先進地域と共に産業協力基地と資源高付加価値加工基地を建設、先進地域と発展途上地域の連携メカニズムを構築し、先進地域が発展途上地域をの発展をけん引、両者の共同的発展を促進する。
国家の重要地域戦略も協調的発展を強化する方針だ。「意見」は、「一帯一路」建設・京津冀(北京・天津・河北)協調的発展・長江経済ベルト発展・「粤港澳大湾区」(広東・香港・マカオビッグベイエリア)建設など重要戦略のけん引作用を発揮し、地域間の相互融通を促進、この4つの地域戦略の融合的発展を推進する必要があると提起した。中国社会科学院都市発展環境研究所の劉治彦研究員は、「粤港澳大湾区と一帯一路・京津冀・長江経済ベルトを共に国家の重要地域戦略に組み込み、より全面的な地域発展の枠組みを形成する見通し」と分析した。