中国のIT大手が農村に目を向け、庶民の食卓と密接な関わりがある豚肉を重点に置いている。アリババと京東はAI養豚プロジェクトを発表し、先駆者の網易は2011年に養豚事業に着手している。実は、AI養豚は、科学技術を通して食品の安全性を高めることが狙い。
中国最大のECサイトの1つである京東は最新の支部を設立することを発表。その事業はハイテクなドローンではなく、養豚である。
網易とアリババに続き、IT大手がまた養豚業に参入
京東傘下の財務部門JD Digitsは11月20日、京東「農業・牧畜業学術研究計画」を打ち出し、京東スマート牧畜業ソリューションを発表した。同ソリューションは人工知能(AI)、IoT、ロボット、エッジコンピューティングなどの技術を養豚に組み入れるというもの。
ソリューションの登場により、京東は「自ら行動し、生活を豊かにする」中国IT企業の1つになっている。米国のIT企業と異なり、中国の多くの企業が農村に積極的に踏み込み、米国の同業がしたがらない「汚れ仕事」や「大変な仕事」を行なっている。
中国IT大手の中で真っ先に養豚事業に参入した先駆者である網易は2011年に子会社の味央を通して養豚プロジェクトを開始。同社は日常生活に欠かせない豚肉分野において、中国の消費者に有機非遺伝子組み換え黒豚を供給する。当然、このような豚肉は安くなく、1キロあたり24ドルに達する。
今年2月、アリババは「ET農業大脳」プロジェクトを始動し、視覚と音声認識およびリアルタイム環境観測技術を使い、豚の日常活動を追跡し、AIを養豚業に導入した。
AI養豚、節約と味・安心を保証