今年の世界最大の家電・IT見本市「CES」が8日、ラスベガスで正式に開幕した。150数カ国・地域の約4500社が出展。CESは世界の家電・IT分野のバロメータとされている。今年最も注目されているのは、商用時代に向かい邁進中の第5世代高速移動通信規格「5G」技術、スマートなデジタル健康製品、中国製のロボットだ。
5Gが到来
CESの主催者、全米民生技術協会(CTA)の市場研究バイスプレジデントは、6日の年間技術すう勢を発表した際に、5Gを最大の見所とした。彼は業界関係者の発言を引用し、「我々は過去30年間で人を結びつけてきたが、今後30年は物を結びつける」と述べた。
5Gは真の商用時代に入るが、短期的にはそれほど「盛大」にはならない。整った5G基準は年内発表が困難であり、基地局と端末も急速に普及することはない。5G電子製品を利用しようと待ち構える消費者は、2019年に多くの新鮮な体験を迎える。
中国3大通信キャリアのスケジュールによると、5Gのプレ商用化は2019年に始まる。米国と韓国が先に開始した商用化が、中国のプレ商用化と実質的な差があるかについては、今後の経過を見守る必要がある。米韓の5Gサービスは現在、一部地域及び一部ユーザーのみに開放されている。
また5Gサービスを体験するには、5Gスマホが必要だ。報道によると、サムスンやファーウェイなどのメーカーは年内発売を予定しているが、CESでの発表には間に合わなかった。
デジタル健康製品がスマート化
CTAのデータによると、CESの健康技術出展企業は昨年の98社から、今年の120社弱に増加した。近年の数多くの医療健康製品に搭載されている人工知能(AI)技術を見ると、単純な血圧・心拍測定ではなくなっており、スマート化と遠隔操作化が主な見所になっている。
多くのデジタル健康製品が昨年、米国での販売を認められた。これには心電図検査が可能な腕時計、血糖値測定器、センサー搭載のデジタル化呼吸治療装置、患者を遠く離れた場所からモニタリングするネックレスなど40種類以上のデジタル医療製品が含まれる。
米食品医薬品局(FDA)は2017年に初のデジタル化薬品を承認した。この薬品内のチップが電気信号を放ち、患者の体に張るパッチがこの信号を受信すると近くのスマホに伝送し、薬を飲む時間や飲む量を記録する。
AIは医療分野でも大活躍を始めた。上述したCTAの関係者は新年の技術すう勢を展望した際に、フィリップスの自己適応スマート設備「Illumeo」を推薦した。同設備はAIにより、放射線科医が迅速かつ正確に診断できるようサポートする。近年専門誌に掲載された研究によると、神経イメージングとAIを結びつけることで、一般的な方法よりも6年早くアルツハイマー病を確認できるという。
中国製のロボットが見所に
CESイノベーション賞は毎年、メディアから注目を集める。今年は3種の中国製ロボットが入選した。これらのロボットはよりスマートで、交流の性能が強化されており、応用シーンがより正確になっている。
深セン貝爾創意科教公司が開発したロボット「Mabot」が、「ロボット・ドローン」部門に入選した。これは児童向けのプログラミングが可能な金属製球形ロボットで、米国のアニメ映画『ベイマックス』に登場する磁石のロボットに似ている。操作者はパソコンの図形化プログラミングにより、モジュールを個性的な方法で組み合わせ、異なる動きを行わせる。
優必選科技公司が開発したヒューマノイドロボット「Alpha Mini」、創沢智能ロボット公司が開発した商用サービスロボット「創創」は「世界をより美しくする技術」部門に入選した。前者はAI音声、顔認証、物の認証のヒューマノイドロボットにおける実用化を実現した。
CESに出展する中国企業は、米国市場の開拓を予定している。優必選はアマゾンのクラウドサービスプラットフォームに基づき、音声アシストヒューマノイド「Lynx」を開発しており、アマゾンのウェブサイトで販売中だ。創沢智能はシリコンバレーでAI研究院を設立した。
関係者は新華社の記者に、「フォードと百度の自動運転テスト、インテルと百度の金融サービスプラットフォームなど、中国と米国のテクノロジー企業は多くの具体的な協力を展開している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月9日