中国政府が21日に発表した2018年の経済成長率について、国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストに就任したギータ・ゴピーナート氏は同日、「中国経済にはいかなる急激な失速も見られない。6.6%という国内総生産(GDP)年間成長率は、IMFのこれまでの予測値と一致する」と述べた。
蘇州工業園区のビジネスエリア(中国新聞社記者空撮)
ゴピーナート氏は同日、スイスのダボスで開かれる2019年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)開幕に先立つ「IMF世界経済見通し」発表会にて、記者からの質問に対して上述の通り発言した。
中国国家統計局は21日、2018年の中国の主要経済データを発表した。うち中国の昨年のGDPは初めて90兆元を突破し、前年比6.6%増となり、政府が年初に確定していた6.5%前後という成長目標を達成した。中国国家統計局の寧吉喆局長は同日、昨年の中国経済は合理的な区間内での成長を維持し、発展の主要目標を達成できたと表明した。
中国経済成長率の低下をどの程度懸念しているかという質問に対して、ゴピーナート氏は「今日目にしている中国の昨年のGDP成長率は事実上、IMFの予測と一致する。我々はこれまで6.6%と予測していた」と回答した。
「これは我々が中国経済の急激な失速を目にしていないことを意味する。この状況は中国経済の成熟の度合い、及び実現しつつある経済リバランスに合致する。中国の最新の経済データは、次の事実を積極的に裏付けている。中国の経済成長率は予想されていた通り徐々に低下しているが、現段階では予想外の急激な変化は何ら生じていない」
同日発表された最新のIMF世界経済見通しは、世界経済の成長は昨年、金融危機後の高水準に迫ったが、予想以上のペースで鈍化していると指摘した。IMFが報告書内で示した最新の予測によると、世界経済の今年の成長率は3.5%、来年は3.6%となる見通しで、昨年10月の予測値から0.2ポイント、0.1ポイント下方修正されている。
報告書は各国政府に直ちに行動し、経済成長が直面する圧力を解消するよう呼びかけた。また各国の主な政策の重点は、経済障壁を増やしたりすでに減速している世界経済を損ねるのではなく、協力の手段により貿易摩擦とこれにより生じている政策の不確実性を速やかに解消することに置くべきと提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月22日