北京協和医学院、中国老年保健協会などがこのほど北京市で、「老年健康青書:中国老年健康研究報告書(2018)」を共同発表した。中国老年保健協会会長、同青書編集担当の劉遠立氏は同青書について説明した際に、急激な高齢化社会は中国に大きな課題をもたらしたと指摘し、次のように述べた。
中国の60歳以上の高齢者は2000-18年の間に、1億2600万人から2億4900万人に増加し、総人口に占める比率は10.2%から17.9%に上昇した。2026年になると、65歳以上の人口の比率が14%に達し、中国は正式に高齢化社会に突入する見通しだ。中国の高齢者は急増しており、高齢化の圧力が日増しに顕在化している。高齢者の健康サービスの発展が厳しい課題に直面している。多くの問題と大きな課題を抱える現状に対応するため、弱点を補強し体系を構築する必要がある。
「健康な高齢化」は中国が高齢化に対応するため避けては通れない道だ。これは高齢者の生理的な健康、心理的な健康、社会への良好な適応を中心的な理念とする。
報告書によると、健康な高齢化と積極的な高齢化の促進は、社会・経済の発展に対して重要な意義を持つ。まず、高齢者に使用可能で受け入れられる高品質の健康サービスを提供することで、社会の調和と安定を促進できる。次に、高齢者の健康寿命を延ばし生活の質を高め、支援型の養老・予防・医療・リハビリ・介護環境を提供し、疾患を予防し健康を促進することで政府・社会の財政負担を大幅に軽減できる。また、措置の実現により健康で活力あふれる高齢者が増加し、人的資本の減価償却率が低下し、第二次人口ボーナスの形成を促す。
劉氏は「高齢化の発展を科学的に見据え、高齢者の健康事業の発展に有利な政策を全面的に制定し、人的資源を全面的に開発し、医療・養老の結びつけを促進し、長期介護保険とサービス体制の建設を推進し、高齢者に優しい環境を構築することで、高齢者及び家族がより質の高い生活を送れるようにし、世代間の調和的な関係を促進し、高齢化を背景とする持続可能な発展を実現するよう努力するべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月9日