中国自動車市場は昨年、それまでの成長をストップさせた。中国自動車工業協会が発表した統計データによると、昨年通年の中国自動車販売台数は2808万600台で、10年連続で世界一になったが、前年比で2.76%減となった。中国自動車販売台数のマイナス成長は1990年ぶりだ。
自動車市場の環境は今年、より複雑になる。自動車消費をいかに盛り上げるかは、業界の内外で注目されている問題だ。自動車産業の消費の安定成長を促すため、国家発展改革委員会などの10部門は1月28日に「供給のさらなる改善で消費の安定成長を推進し力強い国内市場の形成を促進する実施案」(以下「実施案」)を共同発表し、自動車消費を促進する6つの措置を掲げた。
この実施案は、自動車の地域を跨ぐ流通を奨励し、在庫の供給を促し、農村部の自動車消費アップグレードを奨励するといった関連政策を明記した。これは業界から「農村部の消費者と3・4級都市の消費者にとって朗報」と受け止められており、農村部と発展中の地域の自動車消費を刺激する見通しだ。自動車業界アナリストの曹鶴氏も、農村部の自動車市場の潜在力に期待している。「中国農村部住民の自動車消費の潜在力は非常に大きい。農村部は人口が分散化されており、公共交通機関が発達していないため、自動車の確かな需要が存在する」
新車販売と比べると、自動車廃棄処分の話題はそれほど注目を集めない。ところが実際には、良好な自動車廃棄処分メカニズムを形成し、社会の老朽化した自動車を減らすことで、道路安全のリスクを減らし、さらに自動車市場のアップグレードと販売増を促すことができる。実施案の第一条は、自動車廃棄処分制度について、「老朽化した自動車の廃棄処分と買い換えを秩序正しく推進する。規定に基づき廃車5大部品の再製造・再利用を許可する。条件を備える地方は市場取引プラットフォームに委託し、排出基準が国Ⅲ以下の自動車を廃棄処分すると同時に新車を購入するオーナーに対して、適度に補助金を支給できる」と新たな提案を示した。
自動車廃棄処分と中古車取引の制度の改善、農村部自動車市場の発展について新たな政策を制定するほか、実施案は新エネ車の補助金構造の持続的な改善、ピックアップトラックの市街地進入制限範囲の緩和の着実な推進、地方政府自動車管理措置のさらなる改善などの問題についても言及している。多方面の政策のメリットが、自動車市場の消費の自信を力強く支えることは間違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月14日