今年の春節(旧正月)7連休中、消費が活況を呈した。3・4級都市の消費が特に好調で、中心的な消費者の若年化が進んでいる。品質消費、体験消費、スマート消費が新たな注目点になっている。大きな消費の潜在力を引き出し、かつ消費動力の育成の新たな方向を示した。
(1)非消費中心都市の活況。3・4級都市の年越し用品消費額の伸び率は、1級都市を約4ポイント上回った。3級都市では飲食及び新小売の受注が急増しており、中心都市を上回っている。(2)中心的な消費者の若年化。ネット通販大手・京東商城の報告によると、春節中は80・90年代生まれが主力の消費者になり、売上に占める比率が70%を上回った。(3)旅行が習慣化。春節中の国内観光客数は延べ4億1500万人で、観光収入が5139億元に達した。域外観光客数は前年同期比12.48%増の延べ631万1000人で過去最大を記録した。(4)品質消費、体験消費、スマート消費が新たな注目点に。海外の衣料品、バッグ、コスメの購入が流行しており、輸入高級食品の消費が徐々に拡大している。スマートで便利な消費の需要が引き出され、スマートフォン、スマートウォッチ、掃除ロボットが新年の贈答品になった。年越し料理のデリバリー、調理師派遣などの新しいモデルが歓迎された。(5)Uターン不動産購入の需要が沈静化。昨年の春節と比べると、大半の3・4級都市のUターン不動産購入が理性的になった。
春節中に集中的に引き出される消費の需要、及びこれにより生じる新たな消費の注目点は、段階的な新たな消費習慣が形成中であることを意味し、高度に重視するべきだ。
昨年12月末現在、中国の住民による預金残高が72億4400万元に達した。外部からの衝撃と内部のモデルチェンジが重なる時期に、国内の消費の需要を拡大することは、国内の市場を発展させ、国民経済の成長を安定させ、高品質の発展を推進する上で重大な意義を持つ。春節の消費の注目点が生じているが、その形成を妨げる要素にも注意が必要だ。現在流行中の旅行を例とすると、国内の一部のスポットは荒削りで、受け入れ能力が不足しており、ぼったくりが横行している。これは消費者の効率を低下させ、消費者を拒むことにもなりかねない。春節中の域内・域外旅行の搭乗券や宿泊費などのコストの大きな格差は、域外観光客数の増加を促している。これらの要素に改善がなければ、住民の消費の意欲を弱め、消費の満足感に影響を及ぼす可能性がある。また近年、高品質製品の消費が常に続いてはいるが、国内外の価格に大きな差があることから、海外からの代理購入の規模が年を追うごとに拡大している。
新たな消費の注目点の形成と拡大を推進し、潜在的な消費力を現実的な消費の実力に変えることが喫緊の課題になっている。(1)生活性サービス業の発展に取り組む(2)観光市場の規範化に取り組む。(3)高品質・スマート製品の供給を支持する。(4)住宅は住むためのものという位置づけを確固たるものにする。(5)農村部の消費の潜在力を引き出す。
総合的に見ると、春節中の消費の見どころを新たな消費の注目点に変え、国内の消費の需要を引き出し国内市場を発展させるためには、関係者による弛まぬ努力が必要だ。現在の複雑で厳しい国内外の環境下、国内の消費の需要を発展・拡大させることは、中国経済の安定を維持する重要なバラストとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月13日