山東省両会(人民代表大会、政治協商会議)の開催に伴い、31省の今年の政府活動報告が出揃った。各省の2019年の経済発展目標が明らかになった。
国内外の厳しく複雑な環境に直面し、経済成長の減速の圧力を受けるなか、各地は今年のGDP目標を昨年よりやや下方修正した。
昨年のGDPトップ3省を例とすると、広東省は今年のGDP成長目標を昨年の7%前後から6-6.5%に調整した。江蘇省は昨年の7%以上から6.5%以上に調整。山東省は昨年の7%以上から6.5%前後に調整。
海南省、湖北省は流れに逆らい、GDP目標を引き上げた。うち海南省は昨年の7%から7-7.5%に調整した。
ところが海南省の昨年のGDP成長率は、7%という目標を下回っていた。海南省統計局の包洪文局長は、これは海南省の経済が不動産への依存を弱める上で不可避の苦しい過程であり、能動的な調整の結果だと表明した。不動産業界の能動的な調整の経済への影響は今年弱まる。また本部経済の導入が、経済けん引の好材料になる。海南省の経済・社会指標は今年、好転を続ける見通しだ。
湖北省は今年のGDP成長目標を昨年の7.5%から7.5-8%に引き上げた。これは昨年、現地の経済情勢が好転したためだ。データによると、昨年の湖北省のGDP成長率は7.8%で、目標を0.3ポイント下回り、7年連続の低下の流れを覆した。
GDP成長目標に一定の範囲を持たせることが、今年の目立った特徴になっている。北京市、安徽省、福建省、湖北省、河南省、湖南省、海南省、陝西省、青海省、寧夏回族自治区、広東省、江西省、上海市、吉林省は今年のGDP目標に一定の範囲を持たせた。
北京市、上海市、広東省は6-6.5%。福建省と江西省は8-8.5%で、昨年はいずれも8.5%前後。
中国国際経済交流センターの徐洪才副チーフエコノミストは中国新聞網の記者に、「目標に上限と下限を設けることは、より科学的であり柔軟性がある。経済成長率がこの範囲内に収めるためには、マクロ政策の安定性・連続性・柔軟性を維持し、さらに構造調整と改革深化を着眼点としなければならない」と指摘した。
GDP成長率への重視を弱めると同時に、各地は経済の高品質発展の推進に焦点を絞っている。
広東省は政府活動報告の中で、大湾区建設特別計画の作成を急ぎ、香港・澳門と共に世界一流のベイエリアと世界クラスの都市クラスタを建設し、全国の高品質発展をけん引する重要な動力源を構築するとした。
遼寧省は、製造業の高品質発展を確固不動の姿勢で推進し、実体経済という基礎をさらに固め、製造業高品質発展国家級実証エリアを建設するとした。貴州省は、経済高品質発展を全力で推進し、ビッグデータ融合発展の推進を掘り下げ、5Gネットワークの展開と建設を積極的に計画するとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月15日