2013年に上海自由貿易試験区が設立されてから現在までに中国は、自由貿易試験区12カ所の設立を認可した。自由貿易試験区の建設は、大胆な試み、大胆な前進、自主的な改革の方針を堅持し、制度イノベーション成果を全国に普及させ、ハイレベルな対外開放の「先駆者」となって改革深化の「モデルケース」の作用を発揮した。こうした改革開放の新たな措置は、市場の活力を効果的に喚起している。
現在、海南自由貿易試験区で制度イノベーションが新たな進展をみせている。構築中の出入島者情報管理システムで顔認識設備の配備が終わり、入島者全ての顔認識が可能となった。交通では、物流出入島管理システムの開発でデータセンター内スクリーン展示を実現し、中国人民銀行(中央銀行)海口中心支店は、資金流出入島管理システムの開発でデータセンター内スクリーン展示を可能とした。人、物流、資金の出入島管理システム構築が「加速度」を上げている。
重慶自由貿易試験区では、改革任務129項目の実施とイノベーション措置141項目が発表されている。クロスボーダー決済管理方式のイノベーションによる新業態の発展支援や人民元クロスボーダー使用の範囲拡大、為替リスクと両替コストをの引き下げ、クロスボーダー投融資チャネルの開拓、クロスボーダー貿易の簡便化などが進んだ、データによると、昨年末時点で重慶自由貿易試験区の新規登記企業は累計2万2
600社、誘致プロジェクトは1622件、契約(協定)締結額は5213億元に上った。
天津自由貿易試験区では、2015年4月の運営開始から昨年10月末までの新規登記市場主体は5万1000社、登録資本金は1兆7900億元となった。天津自由貿易試験区は、3年余りの間変化し続けており、エアバスA330完成及び引渡センターの使用開始、ボンバルディア社用機整備プロジェクトの着手や、海航GEエンジンセンター、天津航空整備センター、ルフトハンザ技術訓練センターなどの大規模プロジェクトの相次ぐ実施で、産業生産高は780億元を超えた。
上海億通国際公司は、上海国際貿易の「ワンストップサービス」機関だ。同社は、上海浦東新区オフィス内の電子スクリーン上で、上海税関の利用者数、貨物・船舶の申告数量をリアルタイムで更新している。同社責任者は、「ワンストップサービス」の構築について、各機関がすでに持っていた「情報の孤島」をつないで「データを活かし、企業の負担を減らす」ことを実現し、企業が書類を一度提出すれば関連手続きを終えることができ、市場主体に利便性をもたらしたとしている。
「自由貿易試験区の政策効果は持続的に表れている」。中国商務部国際貿易経済協力研究院院長の顧学明氏は、昨年5月時点で自由貿易試験区が複製可能で普及可能な改革イノベーション成果153項目を打ち立て、全国にモデル効果をもたらしたと説明。各自由貿易試験区が所在する省・直轄地も、権限の範囲内で試験の経験を地元の省・直轄市に普及させ、全国に全面的な改革深化の良い流れを形成したとの見方を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月9 日