かまどの火が燃え盛り、鍋の中から音がする。広くて明るい台所で、吾加木尼亜孜・沙吾提さん一家は忙しく料理をしている。野菜を洗い、肉を切り、地域の特徴あふれる温かい料理が完成した。その香りは食欲をそそる。
台所の外の中庭では数十人の観光客が休憩し、美味しい料理を楽しみに待っている。
ここは新疆ウイグル自治区阿克蘇地区温宿県博孜墩郷の雪源村で、有名な託木爾峰国家級自然保護区の隣にある。地元住民の吾加木尼亜孜さんは2年前は貧困世帯に指定されていたが、他の村民と同様、ここ数年で農業体験、民宿、馬車観光、民俗公演などの観光サービスを通して貧困を脱却し、裕福な生活を送るようになった。
吾加木尼亜孜さんは、「今年の収入は期待できる。5万元を超えるかもしれない」と嬉しそうに話す。
初春になってもまだ肌寒いが、託木爾峰国家級自然保護区は観光客が絶えず、人気がある。50代の雪源村村民の卡米力・阿不都熱依木さんは普段通り馬を引いて観光客を案内した。足取りは軽快で、嬉しそうである。
2018年、卡米力さんは自宅で飼っている2匹の馬を使って観光客に乗馬を体験してもらうという新ビジネスを始めた。彼は、「観光シーズンは馬1匹で1日に500~600元稼げる」と話す。
山と水に頼って生計を立てる。観光資源に恵まれ、雪源村に50軒以上の農業体験施設が次々とオープンした。その90%が貧困世帯である。観光が人気を呼び、村の特産物も供給が追いつかないほどで、観光客は地元で採れた鶏、羊、野菜、果物などの優れた農業副産物を買っていく。
雪源村第一書記の朱学栄さんは、「2018年、雪源村を訪れた観光客は5000人に達し、村民に55万元の収入をもたらした。情報を聞きつけて訪れる観光客が増加し、今年の収入はさらに増えるだろう」と話した。
託木爾峰国家級自然保護区は氷河、雪山、牧場、温泉、渓流など多種の自然資源を融合させ、山水と動静が合わさった雄大な風景で毎年国内外から多くの観光客が引きつけている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月16日