今回、高級車ブランドが次々と値下げした背景に、増値税の引き下げがある。
2019年政府活動報告は、より広い規模での減税を継続し、通年で企業の税収と社会保障費の負担を約2兆元減らすと明確にした。うち、増値税改革を深化させ、製造業などの税率を現行の16%から13%に引き下げ、交通輸送業や建築業などの税率を10%から9%に引き下げる。
中国が増値税を引き下げるのはこの1年で2回目となる。2018年5月、財政部と税務総局は『増値税税率引き下げに関する通知』を共同で配布し、製造業などの増値税を17%から16%に引き下げるとした。当時、自動車企業の希望小売価格引き下げブームが起きた。
今回の高級車ブランドの値下げには、中国自動車市場が低迷し、販売が巨大な圧力に直面していることも関係している。2018年、中国の自動車販売台数は28年ぶりにマイナス成長となったが、高級車は前年比9%増加した。しかし市場が低迷する中で、高級車ブランドの好成績は2019年まで続かなかった。
2019年1~2月の国内の狭義の乗用車販売台数は333万3000台で前年同期比9.8%減少、高級車メーカーの出荷台数は4%減少。うち、2月の高級車メーカーの出荷台数は前年同期比2%減少、小売台数は3%減少した。
全国乗用車市場情報聯席会の崔東樹秘書長は、「高級車の値下げは政策を有効利用して企業の商品の競争力と注目度を高めると同時に、消費者の様子見に対応することもできる。増値税の徴収の特徴と前段階の競争激化の圧力を考慮すると、今後の自動車市場の末端価格の変動幅が3%に達することはなく、一部モデルの末端価格は国六排出基準の実施後に上がる可能性もある」との見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月18日