人力資源・社会保障部、国家市場監督管理総局、国家統計局はこのほど正式に、13の新しい職業を発表した。その中にはeスポーツの運営者と選手が含まれていた。
90年代より中国人から徐々に注目されるようになったeスポーツは、非常に苦しい発展の道を歩んだ。わずか十数年の間に、保護者からまともでないとされていたeスポーツは、興隆、衰退、緩慢な発展、再台頭という過程を踏まえた。
国家体育総局は2003年に、eスポーツを99番目の正式なスポーツ競技として認定した。2017年の国際オリンピック委員会(IOC)第6回サミットにおいて、出席者は現在のeスポーツ産業の急成長について議論し、最終的にこれを「スポーツ」として認めた。
中国チームがジャカルタのアジア競技大会eスポーツ競技で優勝し、中国IGチームが『リーグ・オブ・レジェンド』の世界決勝戦で頂点に立った。近年の国際大会で好成績を収めたことで、eスポーツは中国で本格的な発展の軌道に乗った。
人力資源・社会保障部も、「近年の国際大会の推進を受け、コンピュータに基づく競技が急成長している。eスポーツは巨大な新興産業になっており、その運営者と選手のプロ化が必然的な流れになっている」と表明した。
しかし今日もeスポーツ業界は全社会から認められていない。四川省eスポーツ協会の劉葉航秘書長は、eスポーツの運営者と選手が新たな職業になったことで、「ネット中毒」「遊んでるだけ」というレッテルが剥がれ、人々から認められることにつながると話した。
劉氏によると、eスポーツは今後発展する重要な業界であり、スポーツ産業だけではなく文化や観光などの各方面に関わり、非常に豊かな中身を持つという。
国内のeスポーツ産業の急成長を受け、国家体育総局や文化部などの関連部門も多くの政策を打ち出し、eスポーツ産業の規範的な管理を促進している。上海市と成都市は昨年末、eスポーツ選手の登録管理方法を発表した。
劉氏によると、現在は練習相手もプロの選手も高待遇であり、月給は5桁(1万元以上)にほぼ達しているが、選手のサポートについては規範化が必要だという。「選手の職業病はもはや無視できない状況だ。彼らの合理的な練習とリハビリを行うため、より詳細なマニュアルが必要だ」
「2018年中国eスポーツ業界発展報告書」のデータによると、昨年の中国eスポーツ市場の規模は84億8000万元に達した。2020年にはeスポーツ全産業チェーンの生産高が211億元に達する見通しだ。しかし深刻な人材不足を見落とすわけにはいかない。
一部の統計データによると、eスポーツ業界の現在の就業者は5万人で、26万人の不足が生じている。2020年にこの不足は50万人に拡大する。産業の発展ペースと比べると、人材育成が不足し、依然として焼け石に水の状況となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年4月14日