チップ分野の重点大学の呉子豪教授は、「同様に技術者は、ソフトウェアは給与が高く進路もよいが、ハードウェアは大変で給与も低い」と話す。
成長速度が遅く、世代交代の周期が長いことはチップ人材の昇給を抑える主な原因の1つである。開発エンジニアの林濱氏によると、新卒生は入社後に4~5周期のチップ項目を経験し、1周期あたり半年から2年で、その後にようやく単独で仕事を担当できる。
集積回路に投資するある人物も、企業が必要とするのはすぐに作業できる優秀な人材だが、卒業したばかりの人材は育成と長期間の蓄積が必要で、両者に大きな差があると考える。ある大学講師は、企業は短期学生の実践の受け入れに意欲的ではなく、受け入れても企業秘密を理由に学生に十分な学習のチャンスを与えないと話す。
結果:チップ人材が30万人以上不足
『中国集積回路産業人材白書(2017-2018)』の統計分析によると、2020年頃に中国の集積回路産業の人材ニーズは約72万人になる見通し。2017年末時点で、中国の集積回路産業の人材保有量は約40万人、人材不足は32万人、年平均人材ニーズは約10万人だった。2017年に大学の集積回路学科を卒業した20万人のうち同業種に就職したのは3万人にも満たず、大学だけに頼って人材ニーズを満たすことはできない。
実は人材不足のほかに、集積回路産業の人材流失率の高さも問題となっている。長年にわたる低報酬環境により、チップ産業は給与が低いというイメージが強く、集積回路を専攻した多くの大卒生がインターネット、コンピュータソフト、ITサービス、通信、不動産などの業種への就職を希望する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年5月28日