【記者】30日午前、IEEEスタンダード・アソシエーション(IEEEの標準規格を扱う内部組織)でただ一人の中国出身理事の袁◆(日かんむりに立)氏がメディアに対し、「(IEEEの)メールはファーウェイ従業員がIEEE機関誌の編集担当者や論文審査担当者になることを禁じてはいない。ファーウェイは引き続きIEEEの学術会議に参加することができ、未公開の学術論文の審査に参加できないだけだ。大方の見方とは異なり、IEEEはファーウェイとIEEEとの協力関係を支援し保護すべく最大限の努力を重ねている」と述べたが、このような見方をどう考えるか。
【張教授】思うに、IEEEの従業員として、袁博士がこのような見方を発表したのは職務に忠実だといえるし、IEEEに脅されて科学的精神を損なう行為をすることを博士が食い止めようと努力していることは事実も証明している。しかし、袁博士は損害を最小限に食い止めようとしているだけだ。私からみると、自分はIEEEに雇われているわけではなく、会員として、科学者として専門的かつ客観的な学術的判断で寄与している。IEEEが自分の学術的専門性や学術の自由を侵害していると思っており、退会しなければならない。なぜなら、それぞれの科学観が反対の方向に進んでいるからだ。
科学者一人一人の専門的な倫理性は試練を経たものであり、やすやすと構築されたものではない。今回のような禁止措置が突然発表されたことは、全ての科学者の正当な権利を明らかに侵害しており、科学者の当たり前の活動を妨害するものである。
▽「抗議しているのは科学を色眼鏡でみる行為、ファーウェイでなくても、こうした事態には徹底抗議する」
【記者】IEEEの今回の決定に影響を与えた何らかの力について話すとすれば、何を言いたいか。
【張教授】政治が関わるなということだ。
ごく簡単なことで、学術は学術に帰り、政治は政治に帰ることだ。一緒になるとお互いに損害を被る。
科学の問題は客観的な問題であり、技術的な問題であり、科学的な手段を用いて解決すべきだ。政治によって経済を脅し、学術を脅せば、損害を被るのはどこか1つの国だけではなく、世界全体が損害を被る。
私が抗議しているのは科学を色眼鏡でみる行為であり、関わる企業がファーウェイかどうかに関係なく、こうした事態に対して徹底的に抗議する。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年5月31日