▽意外なことに対米貿易黒字が減少せず増加した
米国が中国からの輸入品2500億ドル(1ドルは約108.6円)相当分に追加関税をかけた現在の状況の中、外部では中国の対米貿易黒字が減少するかどうかに関心が集まる。しかし税関総署のまとめたデータでは、今年1-5月の対米貿易黒字は減少しないどころか、前年同期よりも11.9%拡大した。
これは中国の米国への輸出の減少幅が米国からの輸入の減少幅よりもはるかに小さかったためであることはすぐにわかる。1-5月の対米輸出額は同3.2%減少、対米輸入額は同25.7%減少だった。
中国商務部国際貿易経済協力研究院対外貿易研究所の梁明所長は、「中国が米国へ輸出する2千億ドル相当の商品のうち、その対米輸出額が当該商品の輸出額全体に占める割合が50%を超えるものは124品目にとどまる。これはつまり中国の輸出商品の大半は米国市場への依存度がそれほど高くなく、他の市場への切り替えが可能だということだ。その一方で、米国の中国からの輸入商品への依存度は相対的に高い」と述べた。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲研究員は、「多くの米国メーカーは中国産の原料や中間製品への依存度が高く、米国国民もコストパフォーマンスの高い中国産消費財への依存度が高い。よって中国からの輸入商品に対する米国のニーズは、追加関税があっても目に見えて減少することはない。追加関税によって増大した負担は、米国の企業と消費者が引き受けるしかない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月11日