米国政府は昨年9月、対中貿易摩擦のエスカレートに反対する多くの声の中、2000億ドル分の中国製品の関税を10%に引き上げた。自転車と一部の部品がその対象となったため、中国のサプライヤーに依存する米国の自転車メーカーが悲鳴を上げた。さらに追い打ちをかけるかのように、税率が25%に引き上げられた。
新華社記者はこのほど、米国の複数の自転車メーカーを取材した。関税引き上げは生産と経営に深刻な影響を及ぼしており、保護貿易主義は自転車製造業及び関連する雇用を米国に回帰させなかったばかりか、業界の発展に暗い影を落としている。またこれらの米国メーカーにとっては、生産シフトや別の国からの代替品には大きなリスクが存在する。世界の自転車サプライチェーンにとって中国は不可欠な存在だ。
米国自転車供給業者協会(BPSA)の関係者は「中国は世界の自転車サプライチェーンの重要な一環であり、米国メーカーは中国のパートナーと長年に渡り順調に協力してきた」と述べた。
しかし貿易摩擦の影に覆われ、一部の米国メーカーは別の選択を余儀なくされている。「中国からの生産の移転は非常に苦しい決定であり、その他の国や地域で中国のすべてを複製することには期待できない」
別の関係者は、生産シフトは大きなリスクをもたらし、品質と安全性の賭けに出ようとする人はいないと述べた。
さらに別の関係者は、米国及び世界の自転車産業にとって中国は不可欠だと指摘した。業界全体の需要を満たせる場所が存在しないからだ。「サプライチェーンで中国を迂回するのは現実的ではない」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月13日