豪シンクタンクのローウィー研究所(Lowy Institute)はこのほど、2019年「アジア実力指数」報告を発表した。米国はトップを維持したが、2位の中国との差は昨年より縮小している。作者は、米国の実力はトップだが衰退しており、この変化を招いた要因は中国の実力の増強、トランプ政府がとるアジア太平洋政策だと示した。
報告は、トランプ政権発足以来の一連の「抜本的に変更」するアジア太平洋政策が米国のソフトパワーの低下を加速させたという事実を客観的に反映した。
経済において、トランプ氏の利己主義的な政策は各国を失望させている。
トランプ氏の就任当初、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱により、域内国家の長年にわたる交渉の努力はむだになった。中国は中米貿易摩擦に積極的に対応しているが、10回の交渉後、米国側は今年3月に中国に対する関税引き上げを一方的に発表した。トランプ氏は中国に手をつけただけでなく、日本との巨額の貿易赤字に不満を感じ、「米韓自由貿易協定」を「災難」だと批判し、両国に再交渉を迫った。そのほか、貿易赤字調査において、インドネシア、ベトナム、シンガポールなどのアジア太平洋地域の安全なパートナーも名指しで批判された。トランプ氏の自身を顧みず、道義に反し、四方に敵を作るやり方は当然、盟友と貿易パートナーの対米感情に影響した。