米国が強調する「公平な貿易」、本当に公平なのか?=雑誌『求是』

米国が強調する「公平な貿易」、本当に公平なのか?=雑誌『求是』。

タグ:中米 貿易摩擦 求是

発信時間:2019-06-17 15:05:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 雑誌『求是』は16日、「中米経済貿易摩擦で明らかにしておくべき若干の問題」と題した記事を掲載した。一部要旨は下記の通り。


 米国の一部の人物は中国が不公平で不平等な貿易政策を行っており、これにより米国の対中貿易赤字が生じていると批判している。彼らは「公平な貿易」を理由とし、国際メディアで自国の正当性を主張している。ところで「公平な貿易」とはいったい何だろうか。


 公平は一つの歴史の範疇だ。国際貿易においては、国によって発展の段階、具体的な条件、利益の需要が異なる。ズムーズな貿易を実現するため、世界は平等な協議によって貿易ルールを決めるという前例を形成した。つまり公平とはどこかの国が決めることではなく、ルールもある国の利益によって変更されるべきではない。これは各国が平等に協議し決定すべきことだ。公平な貿易を実現するためには、協議により一致し、互恵とウィンウィンを実現する原則を貫き、国際貿易における契約の精神と国際ルールを尊重しなければならない。自分だけ強くなり独占しようとする唯我独尊の発想を捨てなければならない。


 米国の一部の人物は「公平な貿易」が国際ルールではなく「米国ファースト」に基づくものとしており、これにより米国の利益を守ろうとしている。その中軸となるのはいわゆる「対等」な開放で、各国に具体的な製品の関税水準及び具体的な業界の進出条件を米国と完全に一致させることで絶対的な対等を求める。これは表面的には公平に見えるが、発展途上国が発展する権利を無視しているため、実際には極めて不公平だ。


 米国の一部の人物はいわゆる「平等」な開放を強調しているが、これは一つの建前に過ぎない。開放の問題について、米国の一部の人物はダブルスタンダードを設けている。国の支援により資本を蓄積する必要がある場合は、保護主義と国家干渉の措置を堂々と講じる。高い競争力をつけると、他国に無条件の市場開放を求め、自由貿易を無理に推進し漁夫の利を得る。後発国に追われ競争力が徐々に低下すると、保護貿易主義の旗を再び掲げる。世界市場で自由貿易を利用し後発国に対する資本独占の優位性を発揮し、自国資本の市場や技術における独占的な地位を全力で維持する。その一方で国の力を利用し、各種保護主義・いじめ主義の措置を講じることで、他国の実力ある資本(国有と民間を問わず)に圧力をかけ牽制する。この経済上の覇権のロジックと価値観は自らを「正当」とし、競争相手の優位性を「異端」とする。ドイツ歴史学派の代表格であるリストは「梯子外し」という表現を用い、この技術を次のように絶妙に例えている。「ある人は高い峰まで登ると、そのために使った梯子を蹴り倒すことで、他人がついてこれないようにする」これは米国の「公平な貿易」のダブルスタンダードの実質だ。


 国際貿易には長期的に深刻な不公平が存在する。この不公平は主に米国などの先進国が自らの科学技術の優位性と独占の権力を利用し、国際貿易において発展途上国から資源・労働力・製品を安値で調達し、そのハイテク製品とサービスを高く売りつける点で示されている。この不公平な貿易構造は米国に巨額の利益をもたらすと同時に、発展途上国に重大な損失をもたらしている。米国は事実上、国際貿易でこのような優位性を利用し各国から得をしているが、一部の人物は不公平な貿易に対する不満を漏らし続けている。これは果たして「公理」なのだろうか、それとも「強権」なのだろうか。


 歴史を振り返ると、米国の一部の人物は競争相手に「不公平」のレッテルを何度も貼り付けていることが分かる。実力をつけたEUは「不公平な競争相手」とされた。米国を追い抜きそうになった日本は「不公平な競争相手」とされた。現在は中国が、米国の一部の人物にとって「不公平な競争相手」になっている。歴史の経験には注意が必要だ。米国の一部の人物が主張する「公平」と「不公平」とは完全に自国の私利に基づき設定されるものであり、強い一国主義・利己主義のカラーを帯びる。「不公平な貿易」はすでに米国の一部の人物が覇権主義を推進するための万能ツールになっており、必要な時に、強くなった国に対して直ちに使用できる。


 世界貿易機関の各種ルールは、各経済国の協議と同意を経ており、普遍的に承認されている。加盟国間で貿易摩擦が生じた場合は、WTOの枠組み内で解消されるべきだ。これは国際経済貿易関係の公平性を守るための基本的な原則だ。米国はWTOの創設国の一つであり、この基本原則を遵守するべきだ。ところが米国の一部の人物はそのようにせず、むしろWTOを迂回し、貿易上のいじめを行い、自国の有利な立場を利用し経済貿易摩擦を引き起こしている。当然ながらこのような行為が公平な貿易をもたらすことは絶対にない。彼らが経済貿易問題を解消する誠意を本当に持っているならば、自国が強調する「公平な貿易」が本当に公平であるかをしっかり見つめ直し、自ら設定した「公平な貿易」の柵を飛び越え、各国と平等な協議により経済貿易問題を解消する確かな方法を模索するべきだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月17日

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