「鉄鋼の城」と呼ばれる上海市宝山区は近年、クルーズ産業により伝統的な古い工業地帯というイメージを覆し、古い鉱滓堆積場、古い埠頭、古い工場のモデルチェンジを推進している。クルーズ産業が宝山区クルーズ浜江帯全体のグリーンで革新的でより高品質な発展をけん引する道を模索している。
グリーンなモデルチェンジ、鉱滓堆積場が湿地公園に
長江と黄浦江が交わる場所にある上海呉淞炮台湾国家湿地公園は、長江を眺める最も理想的な場所だ。この草木が生い茂り鳥が羽ばたく湿地公園には以前、工場が捨てた鉱滓がいたる所にあった。
鉱滓の河川汚染を回避するため、沿岸・海岸湿地及び堤防内の人工湿地が作られた。人工湿地は鉱滓を掘り起こし処理した上で作られた。沿岸・海岸湿地を含む浜江湿地は、河川と人工湿地の間の「グリーン隔離帯」になり、この川の美しい水を守っている。
高品質発展、古い埠頭が国際クルーズ港に変身
クルーズ産業は近年、上海市宝山区で無から有へ、小から大へと発展した。宝山区浜江委員会の沈邵軍副主任によると、上海呉淞口国際クルーズ港は現在、全国最大のクルーズ母港の一つになっている。現在すでに「3隻同時停泊」を実現しており、4隻を同時停泊させる能力をつけている。国際クルーズ船を累計2000隻以上受け入れており、出入境観光客数が延べ1300万人を突破した。
呉淞口国際クルーズ港は発展・成長と同時に、省エネ・排出削減を重視している。持続可能でより高品質の発展を求め続けており、アジア初のクルーズ船ショアコネクションシステムを建設している。推算によると、2020年までに呉淞口で延べ550隻のクルーズ船が停泊中にショアコネクションを利用し、停泊中に燃料を使用しなければ燃料消費量が年間8900トン以上も削減される。排出されるガスはCO2だけでも年間2万8412トン削減される。記者の調べによると、クルーズ港は今後さらに太陽光発電プロジェクトを建設する。
科学技術と連結、古い工場が創意・創業パークに変身
クルーズ産業が宝山区クルーズ浜江帯全体の発展をけん引している。沈氏は「宝山区の長江岸線で、一部の古い工場が創意・創業パークに変わっている」と述べた。
コンテナをベースに改築された智慧湾科創園はモデルチェンジした古い工場の一つで、流れる川との間に道路を一本隔てるのみだ。その中に足を踏み入れると、カラフルなコンテナオフィスに目を奪われる。情報によると、これらのコンテナの中にはエアコンなどが取り付けられており、快適な事務環境だという。
智慧湾科創園は科学と文化のオリジナリティを特色とし、3Dプリンター及びスマートマイクロ製造、VR/AR及びAIロボット教育に焦点を絞り、最新の科学技術と芸術を融合させた個性的で独特な場だ。世界最大規模の3Dプリントコンクリート歩道橋もここで完成し、使用開始された。中国3Dプリント文化博物館も入居している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月22日