華為技術(ファーウェイ)のサブブランド「栄耀」はこのほど、スマートテレビへの進出を宣言した。8月上旬に初の製品を発表する。今年に入り、TCL、ソニー、サムスン、シャープなどのメーカーが、8K超高画質テレビを発売している。
テレビ業界が長年低迷するなか、この流れに逆らう企業が多いのはなぜだろうか。未来のテレビ業界はどのように発展するのだろうか。
各社が機会を争奪
スマートフォン(スマホ)の衝撃を受け、中国のテレビ全体の視聴率は平均30%のみで、かつ利用者の年齢が40歳以上となっている。またテレビ業界の発展状況は厳しさを増しており、利益率が年々低下している。しかし今年はファーウェイの栄耀、TCL、ソニーなどのメーカーが新製品を投入している。これには次の2つの理由がある。
(一)「5G+8K」が関連業界の発展をけん引。今年は中国の5G商用化元年で、8K元年でもある。5GはIoE時代の到来を促し、8Kは人の目の4倍の超高画質技術を実現する。「5G+8K」の推進を受け、関連する応用例が示されているが、テレビも重要な応用シーンの一つだ。この技術変革はテレビ業界に新たなチャンスをもたらした。そのため一連の老舗家電メーカー、情報技術企業が今年、流れに逆らい前進している。
(二)スマートホームの切り口を手にする。中国のスマートホーム業界の規模は昨年1700億元前後だった。業界の報告書によると、世界のスマートホーム市場は今後数年に渡り、年平均15%の成長率を維持する。その一方で、スマートホームの切り口をめぐる議論がやまない。テレビはスマートホームシーンの重要な一環であり、新しいシーンの形成と発展の中で強みを持つ。企業はこの切り口を手にするチャンスを逃そうとしない。
テレビではなくディスプレイ
テレビはコンテンツの表示に強い。大型テレビにはスピーカーやスマホなどの製品が持たない先天的な強みがあり、未来のスマートな家庭により良く貢献できる。この表示の長所は特に、ARやVR、大型ゲーム体験などの面でより顕著だ。
スマートホームのリンクのボタンになるか
テレビは今後5−10年で、次の2つの発展の流れを示す。
(一)スマートホームの中心になる。テレビは音声・動画などの表示機能を持つため、音声制御やタップなど各種操作を行うことができる。さらにユーザーがこれまで蓄積してきた使用習慣が加わり、スマートテレビはスマートホームの関連設備になる条件を手にしている。冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの家電をリンクさせるボタン、スマートホームの中心になる。
(二)スマートホームにリンクする基本的な設備に。「三網融合」(通信、放送、 インターネットのネットワーク融合)が加速するなか、テレビは家庭内外のネット接続の大きな強みを持っており、これはIoE時代に拡大・強化される。現状に基づき予測すると、テレビは未来の家庭内外のネット接続の最良の入り口になり、各スマートホームをリンクさせる基本的な設備になる可能性がある。(筆者・左鵬飛 中国社会科学院数量経済・技術経済研究所研究員補佐)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月1日