高齢化が加速すれば、社会保障費の増加や公共サービスの低下につながり、人口ボーナスの効果が低減することは、新時代における人口動態にとって大きな危機であり、試練になる。こうしたなか、バランスのとれた人口増加の促進に向け、中国政府は生育政策を適宜調整してきた。
2013年11月には、夫婦のどちらか片方が一人っ子の場合、2人目の子どもを産むことを認め、2015年10月には、すべての夫婦に2人目の子どもを認めた。この2人目の子どもの全面解禁後、2016年の出生数は1786万人、2017年は1723万人と、著しい政策効果がみられた。
報告書は、中国では人口増加率の鈍化、人口構造の変化、生産年齢人口の減少が長期的に続くようになるとしながらも、労働力資源の絶対量は依然膨大なままだと指摘。2018年時点で中国の生産年齢人口は8億9700万人と、9億人近い規模を維持していると同時に、人口大国から人的資源大国へという歴史的転換点を経てきた。
科学教育立国、人材強国という戦略を採り入れてきたことで、生産年齢人口の知識や技能水準は継続的に向上し、文化的素養と健康水準の向上がもたらす「人材ボーナス」が 質の高い経済発展と社会の進歩を促進する上で重要な礎になるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月31日