中国では現在、運動とフィットネスが次第に多くの人々の生活習慣となり、科学フィットネスの理念に対する理解が深まっている。全国民のフィットネスブームに伴い、中国のスポーツ消費も数年にわたって成長が続き、スポーツ産業の急速な発展をもたらした。
全国民フィットネスの需要を満たし、スポーツ産業を育成するには、スポーツ施設の有効供給が欠かせない。今年7月に発表された「国務院の健康中国行動の実施に関する意見」では、「大衆の近隣フィットネス組織と『15分フィットネス圏』の確立に努め、公共スポーツ施設の無料もしくは低料金による開放を進める」努力がもとめられた。中国の公共スポーツ施設の有効供給は、依然として大きく不足している。一部の社区(地域組織)では、公共フィットネス器材の老朽化や損傷などがみられ、スポーツ施設の一般開放も進んでいないことが多い。統計によると、スポーツ施設のうち完全に一般開放されているのはわずか27%、部分的な開放は14%にとどまる。ボトルネックの解消には、より効果的なスポーツ施設供給プランの検討が必要だ。
全国民フィットネスの展開とスポーツ産業の発展には、都市経済にスポーツ産業を溶け込ませなければならない。現在、スポーツ消費の割合は次第に高まっている。中国国家統計局と国家体育総局が今年1月に発表した公告によると、2017年の全国スポーツ産業総規模(総生産高)は2兆2千億元だった。スポーツ産業を一層発展させるには、インフラとなるスポーツ施設の有効供給拡大を加速する必要がある。都市住宅建設や計画などの部門はスポーツ部門と共に協調的な計画と施策を進め、理念から政策、実行などのレベルに至るまでスポーツ産業チェーンと都市経済発展を深く融合させ、運動・フィットネスと消費資源全体の効果的な連携を実現することが求められている。