このような分析について多くの人は怪訝に思うかもしれない。なぜなら米国の失業率はここ50年で最低水準に改善し、多くの雇用主は人手不足に不満を抱いているためだ。
The Liscio Reportkの共同編集者で、労働力市場アナリストであるPhilippa Dunne氏は、「もしも従業員の採用が非常に困難ならば、雇用主は既存の従業員の労働時間を増やすはずだが、逆に減っている」と指摘する。
報道は、「週当たりの労働時間減少は、景気後退の危機に直面している最新の不吉な予兆だ」との見方を示した。これまでに現れた警報としては、
◇米国債券市場で短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」が発生し、経済の先行きを悲観する見方が浮上した。◇S&P500種株価指数の構成企業が2四半期連続で減益。◇8月の米ISM製造業景況感指数が2016年以来初めて景気判断の分かれ目となる50を割り込んだ――など。
ムーディーズ・アナリティクスのライアン・スイート氏は、「景気減速の主因はトランプ氏が中国との貿易戦争をエスカレートさせ、グローバル経済が動揺していることと、英国のEU離脱をめぐる懸念だ」とし、「貿易の先行きが不透明で、企業は今後何が起きるか見通せないため、支出を削減しつつある」と指摘した。