日本が発祥のQRコード技術は中国で再創造が行われた後、新しい技術、新しいビジネスモデルを構築し、それから日本に逆輸入された。これは技術革新(イノベーション)ではよくあることだ。(文:劉遠挙・上海金融・法律研究院研究員)
日本メディアの報道では、日本のNTTデータグループがこのほど、無人商店システムの研究開発分野で中国のスタートアップ企業と協力を展開することを明らかにした。同分野でトップに立つ中国からQRコード認証技術を導入し、遅れている無人商店技術で逆襲をかけることが目標だという。
過去2年間、中国では無人商店が大きなブームとなり、多くのインターネット企業がこの分野に進出した。
しかし全ての市場での試行錯誤や市場発展プロセスと同じように、新しいモデルの誕生は往々にしてプラスとマイナスの両面をもたらす。世論は競争の中のごく一部しか見ていないし、見落としも多いが、騒々しさの中で真に価値ある革新が育つこともある。新しい技術、新しいビジネスモデルは、紆余曲折を経てまがい物は消滅し本物だけが残り、こうして真の革新が姿を現す。
NTTデータの今回の協力相手は上海の科学技術企業だ。同社はQRコードを通じて顧客の入店・出店や決済の管理を行う。店舗に設置されたカメラとセンサーによって来店と商品の移動状況を把握し、誰がどの商品を買ったか確定する。
中国はこの分野ですでに世界の先駆者であり、多くのネット科学技術企業などがこの新興業態に相次ぎ参入する。塀の中で花が咲き、その香りが塀の外へ広がるようなものだ。このたびのNTTグループの動きは、スタートアップ企業に投資するということではなく、実際にQRコード業務を展開することが目的だ。今回導入するのはハードウェアを含むひとそろいの認証技術であり、中国をはじめとするアジア各国の最新技術を採用し、日本ですでに一つの流れを形成している。