中米が先週行った経済貿易ハイレベル協議には、どのような結果があったのだろうか。中国政府は速報で「実質的な進展」という表現を用い、かつこの進展があった分野には農業、知的財産権の保護、為替レート、金融サービス、貿易協力の拡大、技術譲渡、紛争解決などが含まれるとした。これは中国政府の報告に使用される表現としては非常に積極的と言える。
ところが米国と一部の西側メディアは、中米双方の報告の「温度差」に注意した。トランプ大統領は11日に劉鶴副総理と会談した際に、双方が実質的な第1段階の成果を手にしたことを称賛し、かつ第1段階の協定文書の早期確定を求めた。米国と西側のメディアは、中国側が同様の表現を用いておらず、かつ中国側が400-500億ドル分の米国産農産物を購入すると言及することもなかったと強調した。さらにこれに基づき、中米には事実上なんら歩み寄りがなかったと宣伝した。
経済貿易協議の結果に関する中米の報告は、表現の面で高度に一致したことがないが、これについては注意が必要だ。常に米国側の発言の方が多く、踏み込んだ内容を発表している。中国側は簡潔だが意を尽くしており、原則的なことのみに触れる。例えば中国は、中米の貿易バランス促進に関する具体的な数値と情報を一度も公開したことがない。中国の交渉結果の報告手続きは米国側と大きく異なる。全体的に見て、双方はこれに慣れている。
中米の今回の協議が進展を実現したことは間違いない。双方は進展に満足しており、かつ最終的な合意に至る強い意向を形成した。双方の積極的な態度は互いに向き合う新たな局面を形成しており、貿易戦争を終わらせるより明確な政治的決意が備わったが、これは喜ばしいことだ。この理想的な流れを維持し、双方の合意という結果に順調にたどり着くことを願う。
西側メディアは中米の進展の信憑性を疑っているが、その一部については理解できる。貿易戦争が長期化し、これまでも合意に達しようとしながら二転三転していたからだ。先週の直近の協議を前にし、米国側は中国の28の実体への制裁を発表したが、これは双方が積極的な成果を手にするという期待に衝撃を与えた。先週のワシントンにおける協議の成果は、多くの人に意外な印象を与えた。多くの西側メディアが条件反射的にあら捜しをすることから、一部の人が疑問を抱くのもやむなきことと言える。