1996年に「中国の食糧問題」白書が発表されてから20数年後、国務院新聞弁公室は14日に「中国の食糧安全」白書を発表した。20年以上が過ぎたが、中国人は自らの力により食い扶持をしっかり手にし、「満腹しない」から「満腹する」「美味しいものが食べられる」への変化を実現した。
穀物は正常な生活と基本的な経済の秩序を維持する上で極めて重要だ。食糧生産の「15年連続豊作」を踏まえた上で、中国は絶対的な食糧安全を手にしている。穀物の自給率は95%以上を維持している。中国人の主食である米と小麦の1ヘクタールあたり生産量は、世界平均水準を50%以上も上回っている。党中央が確定した「穀物の基本的な自給、食糧の絶対的な安全」が着実に実現された。
「満腹する」から「美味しいものが食べられる」への飛躍において、人々の健康・栄養状況が重要な基準になる。中国人の昨年の油、獣肉、水産物、牛乳、野菜、果物の1人平均占有量は、1996年と比べ30-300%も増加した。栄養価が高く健康的な野菜、果物、牛乳の1人平均占有量は、100-333%増加した。中国の都市部・農村部住民は食事から十分なエネルギーを摂取している。タンパク質、脂肪、炭水化物という3大栄養素の供給が十分で、炭水化物が占める割合が減り、脂肪と高品質タンパク質が増えている。
食糧供給が保証されれば天下泰平と言われるが、低所得者層を脱落させず、満腹できるようにする必要がある。党中央は飢餓・貧困問題の削減を重視している。特に第18回党大会以降、中国は農村経済発展、農家の所得増、飢餓・貧困削減の成功の道を歩んでいる。貧困地区農村部住民の所得水準が上がり、穀物摂取量が安定的に増加している。貧困地区の青少年学生、児童、妊婦、高齢者などの重点対象の栄養水準が大きく向上し、健康状況の改善が顕著だ。
現在の中国の食糧は毎年豊作を手にしており、在庫に余裕がある。十分に供給され、市場も安定している。食糧安全情勢の好転が続いている。未来を見据えると、中国は自国の力により国家食料安全の防衛ラインを構築する条件・能力・自信を持っている。これと同時に、土地が少なく人が多いという基本的な国情、食糧の需給バランスが危うい状況、農業の供給側構造改革の任務には変化がない。自から食べ残しを減らすという一人ひとりの責任にも変化はない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月15日