国家外貨管理局の張新副局長は16日、「中国の株式・債券市場に占める外資の割合は現在、いずれも低くなっている。世界の主流市場指数がA株及び人民元建て債券を導入しウエートを徐々に拡大し、投資上限の規制が撤廃されるなか、適格域外投資家が安定的かつ秩序正しく域内資産を拡大する見通しだ」と述べた。
モルガン・スタンレー華鑫証券の章俊チーフエコノミストは、証券日報のインタビューに応じた際に「現在は外資流入の初期段階にあり、前期は受動的なA株購入による資金流入だ。国際3大指数がA株導入のウエートを拡大するに伴い、より多くの積極的な資金がA株を購入することになるだろう」と述べた。
国際3大指数、A株のウエートを拡大
中国人民大学重陽金融研究院産業部の卞永祖副主任は、記者に「世界の主流指数がA株を導入、もしくはウエートを拡大するなか、外資の中国株・債券の購入の意欲に火がついた。世界の大規模な株式・債券市場として、国際資本に絶好の投資先を提供した。今年を見ると、中国の株式・債券市場に流入する域外資金には受動的・能動的な投資家のものが含まれ、その投資規模は1兆元を超える見通しだ」と述べた。
S&Pダウ・ジョーンズのA株組み入れが順調で、23日より正式に実施されることに注意が必要だ。MSCIとFTSEラッセルに続き、新たな国際指数がA株を組み入れることになる。またFTSEラッセルの第2弾となるA株ウエート拡大も23日に実施される。国金証券の李立峰チーフ戦略アナリストによると、今回FTSEラッセルがもたらす受動的な資金は約280億元、S&Pダウ・ジョーンズは100億元にのぼる見通しだ。
章氏は「世界経済が圧力を受け、市場のリスク回避ムードが強まるなか、米債と円建て資産の取引が混雑している。投資家は世界で新たな、確実な投資のチャンスを求めている。A株市場は柔軟性の高い中国経済を持ち、かつ調整後のA株の価格は合理的であるため、海外投資家からさらに注目を集めることになる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月15日