21日、複数の機関がボーイングの信用格付を下方修正した。うち、クレディ・スイス銀行とUBSは「ニュートラル」に引き下げ、目標株価の下げ幅はともに20%を超えている。2社は、ボーイングの最も売れた737マックス機関連のリスクが高まっていると指摘。
莫大な損失が米国経済に波及する恐れも
世界範囲で安全が懸念される737マックス機の運航禁止令が出されて8カ月目に突入した。クレディ・スイス銀行のアナリストのロバート氏は、737マックス機の運航再開は2020年2月に延期され、ボーイングの今後4カ月の損失額は32億ドルに達する可能性があると示した。737マックスシリーズ旅客機の運航停止により、サウスウエスト航空の3万便が欠航となり、年末までに同社の旅客輸送業務は8%減少する見通し。サウスウエスト航空は737マックスシリーズの最大の顧客で、34機が運航停止となったほか、今年交付予定だった41機の注文も凍結状態となっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事長は先日、米国経済を妨げる「逆流」は国際情勢の緊迫化および軟調の国外需要などのほか、ボーイングも米国経済のデータを左右する重要な要素だと話した。米大統領経済諮問委員会の統計によると、ボーイングの運航停止により、3月から6月のGDP成長率は0.4ポイント縮小した。さらに、ボーイングは経済学者らが懸念する経済分野の投資、輸出、在庫にも触れている。生産中の航空機を交付できないため、ボーイングは737型機の生産量を月52機から42機に減らした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年10月23日