国家統計局のデータによると、中国の65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は昨年11.9%にのぼり、計1億6600万人に達した。近い将来、この2つの数値はさらに拡大する。業界内では、高齢化の進行は中国の「シルバー経済」台頭の堅固な基礎を築くとされている。「シルバー族」も中国のデジタル経済発展の新勢力になる。
「スマホとモバイル決済の普及に伴い、中高齢者は徐々にデジタル化消費の主力軍になる」アリババが発表した、今年の国慶節連休中の消費データに関する最新の報告書によると、「シルバー族」はフードデリバリーやネット通販を利用し旅行を楽しむほか、中高級身体検査や美容医療への支出にも意欲的だ。
中国の各IT大手が発表している「シルバー族」に関するデータを整理すると、高齢者の平均消費額と消費水準が大幅に向上していることが分かる。現在の高齢者のオンライン消費の傾向を見ると、彼らはすでに過去の「質素倹約し、外に出ず家で孫の面倒を見る」という固定的なイメージを覆し、多くがデジタルライフに溶け込んでいる。消費の面でも、自分の生活の質への重視を強めている。
テンセントが発表した「高齢者ユーザーモバイルネットワーク報告書」によると、携帯電話のネットユーザー数は2012年以降に79%増加しており、高齢者のネットユーザー数は130%増加している。高齢者のネット接続のペースは、モバイルネットワーク全体の普及ペースの1.6倍にのぼる。同報告書によると、高齢者ユーザーのダウンロード件数トップ100のアプリのうち、金融・株式・証券類アプリが42%を占め、テレビショッピング・特売・ポイント消費類が15%を占めている。
蘇寧金融研究院が8月に発表した「シルバー族消費トレンド報告書」によると、高齢者の消費の観念は従来と異なり、次の4つの変化が生じている。(1)製品の質を求め、楽しむ消費がトレンドになっている。多くの高齢者が旅行、療養、美容などの支出を増やそうとしている。(2)体験と店内サービスへの重視を強めている。高齢者の精力と体力は加齢に伴い低下する。彼らは近場での消費を好み、利便性と実用性を求める。(3)ネット通販とモバイル決済はもはや若者の独占ではなくなった。(4)スマート化・デジタル化製品が好評を博している。生活能力が徐々に低下することから、自分に適したスマート化製品を必要とする高齢者が増えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月26日