「総合交通運輸・スマート交通」「変革的技術重要科学問題」などの重点特別プロジェクトの2020年度プロジェクト申請案内の意見募集通知が発表され、2020年度国家重点研究開発計画の申請作業が始まった。経済参考報の記者が科学技術部門から得た情報によると、半月余に渡るプロジェクトリストの集中的な発表を経て、ハイテク・基礎研究・農業分野を含む28の特別プロジェクトの410件のプロジェクトに国が支給する経費が70億元を上回る見通しとなった。うち産業のインターネット、スマート製造、大科学装置フロンティア研究、ブルーな食糧庫などが、未来の科学研究費の重点的な支給先となる。
中国農業大学の李紅軍博士は記者のインタビューに応じた際に、「例年と比べ、ハイテクは2020年に社会発展を上回り、プロジェクト件数と経費が最大の分野になる。ハイテク分野は2020年に170数件のプロジェクト、35億元の経費を計画している」と述べた。李氏によると、これほど多くのプロジェクトがあるのは、2020年に新たに始まる特別プロジェクト「ネットワーク協同製造及びスマート工場」が、インターネット・工業製造・スマート技術という3大分野を融合させる、未来の工業製造の主流の方向であるからだ。この特別プロジェクトだけでも84件のプロジェクトが計画された。
李氏は「『5Gに基づく航空機組立プロセスVR・ARの全フロー方針決定補助システム』を例とすると、CPS、5G、VR・ARなどの注目の技術が融合し、航空機製造に方針決定サポートを提供する。航空機組立効率の30%の向上を目指す。『製造基礎技術及び重要部品』も2020年に重点的に投資を受ける特別プロジェクトの一つで、38件のプロジェクトを予定している。工業で広く使用されるモーター、軸受、歯車、絞り弁、センサーなどの重要部品を研究・製造することで、製造業全体のさらなる向上に必要な技術サポートと部品改良を提供する」と説明した。
基礎研究は中国の科学技術発展の「弱点」だった。基礎研究は2020年に133件のプロジェクト、30億元弱の経費を予定しており、プロジェクト件数と経費の規模が2番目の分野となった。また農業科学技術は2020年も、経済作物の質向上・生産拡大及び産業の質・効率向上、ブルーな食糧庫、グリーンで快適な村・鎮という3つの特別プロジェクトを重点的にサポートする。資金援助プロジェクトは38件、経費は11億元弱を予定。前2者の特別プロジェクトは、陸地経済作物及び淡水・海水養殖を研究し、一般人の食品の品種多様化を保証する。グリーンで快適な村・鎮は農村部住民の居住の快適度を高め、2020年の全面的な小康社会の実現に向け基礎を固める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月26日