中国の銀行口座と現地の携帯電話番号がなければ、外国人は中国でモバイル決済ツールを使用しにくかった。ところが支付宝(アリペイ)の画期的な取り組みにより、この問題はすでに解消された。『南華早報』が伝えた。
アント・フィナンシャル傘下の支付宝は今週火曜日より、中国大陸部に向かう外国人客に向け使用権限を開放する。観光客は1度のチャージで支付宝を90日間使用できる。現地の銀行口座や携帯電話番号は必要ない。
支付宝はその国際版「Tour Pass」をリリースした。外国人客は支付宝をダウンロード後、国際電話番号で登録し、上海銀行のプリペイドカードを使い取引できる。この措置によりアント・フィナンシャルは国内モバイル決済市場の主導的な地位を強め、中国の発展が続く観光業により良く参与できる。昨年の訪中外国人客は前年比4.7%増の3050万人。アント・フィナンシャルは、これらの観光客の宿泊・外食・ショッピングなどの消費額が約731億ドルにのぼると見ている。
アント・フィナンシャルによると、国際ユーザーは海外のデビットカードもしくはクレジットカードを使い、90日間のプリペイドカードにチャージできる。チャージ額は最低100元で、上限は2000元。さらにユーザーのチャージ回数について、支付宝は「合理的」な上限を設定した。
市場調査会社イプソスによる2018年の中国第三者モバイル決済市場報告書によると、中国のネットユーザーの間で支付宝と微信支付の普及率はいずれも90%以上にのぼる。支付宝及び世界各地の電子マネー提携先は、12億人以上のユーザーにサービスを提供している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月7日