貿易の有利な情報を受け、人民元対米ドル中間レートは再び1ドル=6元台の時代に戻った。中国外貨交易センターが16日に発表したデータによると、銀行間外貨市場人民元対米ドル中間レートは1ドル=6.9915元をつけ、241ポイント浮上した。5取引日連続の上昇で、8月7日ぶりの高い数値をつけた。
中央銀行は当日発表した報告書の中で、2019年12月20日に香港金融管理局債務ツール中央決済システム(CMU)債券入札プラットフォームを通じ、2019年第12期中央銀行手形の入札発行を行うと発表した。期限は6カ月(182日)で、発行規模は100億元。業界関係者は中央銀行のこの措置について、香港オフショア人民元市場の流動性の調整を意図したものと述べた。
中国民生銀行首席研究員の温彬氏は、「為替レートの動向は、今年の人民元レートが合理的かつバランスの取れた水準で安定を維持し、同時に柔軟性を高めたことを反映している。これは中国のマクロ経済が引き続き合理的な区間内で運行し、金融リスクが全体的に制御可能であるからだ。また、現在の為替レートは市場化の程度がさらに上がっており、市場の需給関係をより良く反映できるようになっており、そのため柔軟性が高まっている」と指摘した。
人民元レートが6元台に乗ったことは、人民元建て資産、特にA株市場にとって好材料だ。東方証券はリサーチの中で、「各国の過去のデータを見ると、大多数の国の現地通貨のレートは株価と同方向に変動する。すなわち為替レートが下落すると株価も下落し、為替レートが安定すると株価が上がる。これは為替レートと株価がいずれも実体経済のバロメータだからだ。また為替レートの上昇が外資流入を促すからだ」と分析した。
温氏は「中国経済は来年、安定しつつ前進の流れを維持する。これは人民元レート安定の基礎と根拠だ。金融市場の開放拡大に伴い、中国資本市場は外資に対して依然として高い魅力を持つ。外資流入は為替レートの安定を支える。為替レート市場化改革は今後、市場の参加者をさらに豊富にし、より多くのリスク回避商品を打ち出し、人民元レートの安定維持を促す」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月17日