米商務省の産業安全保障局(BIS)が先ほど、新たに人工知能(AI)ソフトウェアの輸出規制措置を発表したことについて、中国商務部の高峰報道官は9日「米国側が国家安全の範囲を拡大し、輸出規制措置を濫用する間違ったやり方を是正し、各国企業の正常な貿易及び協力に有利な条件を整えることを願う」と述べた。「環球時報」が伝えた。
BISが発表した新規定によると、米国企業は1月6日より、地理空間画像ソフトウェアを輸出する際に許可が必要になる(カナダは対象外)。スマート化センサー、ドローン、衛星、その他の自動化設備に使用される目標識別ソフトウェアも規制範囲内になる(民間用と軍用を問わず)。海外メディアによると、この措置は中国を含む数カ国に直接矛先を向けている。
高氏は9日の商務部定例記者会見で、「経済グローバル化が発展する今日、正常な国際協力への規制と干渉は米国を含む関連企業の利益を損ねる。また米国の貿易・投資・イノベーション環境への懸念を生み、国際産業チェーンの安定に影響を及ぼす。科学に国境はないはずで、科学技術の発展と進歩は全世界の人々に利益をもたらすべきだ」と述べた。
高氏は「中国の科学技術進歩は開放を条件とし、数世代の人々のたゆまぬ努力によって手にしたものだ。中国は自主革新の道を歩み続けると同時に、さらに開放を拡大する。世界各国と協力を強化し、科学技術イノベーションを推進し、科学技術の成果を共有する。人類の発展の難題を共に解消し、共に世界各国の人々に利益をもたらす」と強調した。
米国が上述した措置を打ち出すと、中国の科学技術関連企業が速やかに反応し、影響を受けることはないとの判断を示した。国内ドローントップ企業の大疆創新は、「当社には自主開発した航空測量ソフトウェア『大疆智図』があり、米国の関連政策は当社にとって朗報だ」と表明した。AI科学技術大手の科大訊飛は、同社がすでに「エンティティリスト」内に入れられているため、米国の新たな輸出規制の影響は少ないとした。国内デジタル地図サービス業者の四維図新は、地図及び地理画像ソフトウェアを自前で賄っているため、新規定から影響を受けないと表明した。
渤海証券はその研究報告書の中で、中国のAI分野が急速に発展しているとした。テンセント、アリババ、ファーウェイ、科大訊飛、海康威視などの中国企業は各分野で幅広く事業展開し、多くの技術の進展を実現した。AI分野の世界トップ技術を見ると、中国と海外の間には一定の差が残されている。しかし米国のAIソフトウェアの輸出規制は、中国のAI企業のさらなる能力強化、国産化水準の向上を促す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年1月10日